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白耳義通信 第77回

「鶏」

連載 2023-02-20

 カーニバル到来! 2月19日から21日に掛けて、バンシュ Binche とアールスト Aalst でカーニバルが行われます。どちらも世界無形文化遺産にも登録されていたのですが、アールストのカーニバルは人種差別を理由に、現在は登録を抹消されています。

 バンシュのカーニバルでは、昨年、暴走した車がジルと呼ばれる仮面をつけた男性達の行列に突っ込み、多数の死者をだしたり、アールストのカーニバルでも過去に刺殺騒ぎも起こっています。賑やかなお祭りではありますが、実は悲しい過去も持っています。

 今年は例年より多くの警察官を配置したり、医療サービス、消防隊も人員を追加し、万全の状態で挑むとのこと。また行列に車が入って来ないよう、パーティゾーンと呼ばれるカーニバルが行われる出入り口には、コンクリートブロックとトラックで道を塞がれることになりました。

コロナ危機から脱出し、今年のカーニバルは盛り上がりを見せそうです。安全に春の訪れを祝いたいですね。

 さて、先月は「時差ボケ」について触れましたが、今月も飛行機での移動についてもう少し書きたいと思います。地球をあっという間に移動できる飛行機。一昔前は船で何十日も掛けていたのが、一日もあれば希望の都市へひとっ飛びできるという大変便利な乗り物ということは分かっているのですが、乗っているといつもいたたまれない気持ちになってくるのです。

 特に長時間フライトでは、決められた時間に食事が出て、体内時計を調節するためであろう、機内が暗くなり、到着前にまた食事。素晴らしいサービスになんら文句もなく、寧ろ感謝すべきなのですが、なんだか自分が養鶏場の鶏になったような気がしてしまうのです。

 昨今、卵の価格が高騰しているとはいえ、ケージを利用した飼育のお陰で、安くて栄養の高い卵を食べられるわけですが、照明時間を管理され餌を与えられている鶏に、飛行機に乗っている自分が似ていなくもない。飛行機に乗る度、こんなことを考えてしまう自分は、少しオーバーでしょうか。だったら完全個室のファーストクラスを利用すれば良いじゃないかと、お叱りを受けそうですが、国際線のファーストクラスは廃止される傾向にあるとか。

飛行機の上手な利用の仕方を編み出したいものです。

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