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連載コラム「白耳義通信 」70

「熱波」

連載 2022-07-19

 日本ではここ数日、新型コロナ感染者の急増がトップニュースとして伝えられていますが、ベルギーでは新型コロナウィルスについて報道されない日も増えてきました。それに代わり、最近報道された目立ったニュースを今月は紹介したいと思います。

 日本時間7月8日昼過ぎ、「安倍晋三元首相撃たれる」という速報が流れたと時を同じくして、ベルギーでも日本の新聞社の記事を引用し、第一報が伝えられました。その後、安倍元首相の訃報記事では、「世界で最も安全な国の一つで、なぜ?」という見出しの元、世界の銃による犯罪発生率や、2022年の世界平和度指数を用いて報道。政治家が暗殺されたことは勿論のことですが、なぜこのようなことが日本で起こったのかに、より焦点が当てられていました。その後、安倍元首相の葬儀の様子と共に経歴、政治家として何をしてきたのか、何ページにもわたり、細かく紹介。個人的には、2017年夏、G20ハンブルク・サミットに出席された際、ブリュッセル国際空港に政府専用機が沖止めされていたことが印象に残っています。

 さて、日本でも伝えられていますが、ヨーロッパを襲っている、熱波の様子が連日のように報道されています。イギリスでは観測史上初の40℃ を記録したり、フランスやスペイン、ポルトガルでは、山火事が発生。東京の面積を遥かに超える森林が焼失したそうです。ベルギーでは40℃ を超える日は未だないものの、今週には35℃ の予想も出ています。

 ベルギーでは、冷房機器が付いている家が殆どない為、30℃ 前後であれば、窓を開けっ放しにしておけば何とか過ごせるものの、流石にそれ以上となると熱中症が心配です。現にスペイン、ポルトガルでは、熱中症による死者もでており、いつまで続くのか心配なところです。

 ヨーロッパでは、ここ10年の内、6月に40℃ を記録した時が何年かあり、2016年6月、丁度滞在先のボルドーで40℃ 超えの中を歩いた時には、熱風を吸って肺の中まで熱くなったような気がしたことを覚えています。

 ここのところ海外に出張などで出掛けられた方の中で、帰国72時間前までに義務付けられている PCR 検査で陽性反応がでた為、日本へ帰れない人が続出していると聞きました。猛暑のせいでマスクを外し、コロナが再拡大とならなければ良いのですが…。

【プロフィール】
 末次 克史(すえつぐ かつふみ)

 山口県出身、ベルギー在住。武蔵野音楽大学器楽部ピアノ科卒業後、ベルギーへ渡る。王立モンス音楽院で、チェンバロと室内楽を学ぶ。在学中からベルギーはもとよりヨーロッパ各地、日本に於いてチェンバリスト、通奏低音奏者として活動。現在はピアニストとしても演奏活動の他、後進の指導に当たっている。ベルギー・フランダース政府観光局公認ガイドでもある。

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