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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、生産国は輸出規制で合意

連載 2019-03-04


マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅 努

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=200円、TSRが170円水準まで上昇する展開になった。米中通商環境の改善期待を背景に、投資家のリスク選好性が高まる中、株価や銅相場などと同様にゴム相場に対しても投機筋の物色意欲が強くなっている。ゴムに関しては、主要生産国が市況対策目的の輸出規制で基本合意したことも好感されている。RSSは昨年1月以来の高値を更新している。

 上海株式相場は2月25日に前日比5.6%高の急伸地合になり、その流れから上海ゴム相場も同日に1.9%高となり、東京ゴム相場も大きく値位置を切り上げている。ゴム以外にも、銅や原油など産業用素材市況が全体的に強含んでおり、この流れが3月も継続されるのか否かが焦点になる。

 トランプ米大統領は、3月中にも米中首脳会談で通商合意を実現することに意欲を示しており、株価や資源価格に対してさらに上向きの刺激を与えることができれば、ゴム相場も一段高が打診されることになる。逆に、株高・資源高が一服すれば、ゴム相場のみが上昇する必要性は乏しくなる。ゴム需給ではなく、マクロ投資環境に強く左右される相場環境が続いているだけに、マーケット全体の地合に注目する必要がある。

 一方、こうしたゴム相場の上昇が進むタイミングで、生産国は市況対策の動きを見せている。2月21-22日に、タイ、インドネシア、マレーシアの3カ国が協議を行っているが、最大で30万トンの輸出規制を行うことで基本合意している。具体的な国別の割当量、期間などは3月4日に再協議を行うとしている。その時点でのマーケット環境などによっては輸出規制を先送りする可能性もあるとしているが、過去数カ月にわたって浮上しては消えていた市況対策の議論が漸く合意に近づいていることには注意が必要な状態になっている。仮に、減産期明けのタイミングに輸出規制をぶつけることができれば、季節要因に基づく下押し圧力は限定されることになる。

 過去の輸出規制が行われた局面では、明確な市況対策効果は確認できなかったことの方が多いが、ゴム相場に新たな上昇ストーリーが持ち込まれていることは間違いない。

 タイ中央ゴム市場の現物相場は、2月28日時点でUSSが前週比1.8%高の45.63バーツ、RSSが同3.9%高の49.00バーツ。東京や上海ゴム相場の上げ一服後もRSS現物相場の上昇は続いている。

 3月のゴム相場は、過去20年で60%の確率で下落している。平均で前月比0.6%安となっているが、季節トレンドに伴う下押し圧力を払拭できるかが問われている。

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