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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、中国の春節後は安値修正

連載 2019-02-18


マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=180円台中盤まで、TSRが150円台後半まで、それぞれ強含みの展開になった。中国の春節(旧正月)明け後の上海ゴム先物相場が底固く推移する中、東京ゴム相場も安値修正の動きが優勢になった。特に目立った買い材料は見当たらなかったが、円安や株高といった外部環境の支援もあり、期先限月を中心に底固く推移している。

 上海ゴム先物相場は、春節前の1日終値が1トン=1万1,410元だったのに対して、連休明け後には1万1,000元台後半まで反発している。ただ、何かゴム相場にポジティブな材料が浮上している訳ではなく、連休前の調整売り圧力に対する反動高との評価が基本になる。

 マーケットの関心を集めているのが、2月11日から始まった米中通商協議である。11日の次官級会合に続いて、14-15日には閣僚級会合が開催された。トランプ米大統領は7日に、米中首脳会談は開催されないと発言するなど、通商協議の大幅な進展に否定的な見方を示していた。しかし実際に交渉が始まると、「うまくいっている」といった楽観的な発言が目立つ状況にある。3月1日が関税引き上げを回避するための交渉期限になるが、現在は交渉期限を2カ月程度延長する可能性が報じられている。通商リスクを軽減できると、2月下旬に向けてゴム相場が急落するリスクは後退することになる。

 一方、タイ中央ゴム市場の現物相場は、2月14日時点でUSSが前週比0.6%上昇の1キロ=43.59バーツ、RSSが同1.1%上昇の45.80バーツとなっている。消費地相場の上昇を受けてやや底固く推移しているが、特に目立った動きはみられない。集荷量は減少傾向にあるものの、産地相場を改めて押し上げていくようなエネルギーはみられない。

 実際に東京ゴム相場も上昇しているのはもっぱら期先限月であり、当限は逆に1月30日以来の安値を更新している。1ドル=111円台を回復した急激な円安の影響もあって期先限月では投機買いが膨らんだが、当限はほぼ一貫して戻り売り優勢の地合が続いており、上昇したのはもっぱら期先限月のみになっている。ゴム相場の実勢が大きく改善したとは言い難い。

 中国の春節明け後も東京ゴム市場の売買高は低迷し、積極的な売買が行われているとは言い難い。米中通商協議の状況、それを受けての円や株価動向などが注目されているが、持高調整の域を脱していない。

 改めて減産期の織り込み終了後のダウントレンドを再開するのか、それとも底打ちから安値修正を本格化させるのかが問われるが、強弱材料双方が決め手を欠いている。

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