連載「つたえること・つたわるもの」(47)
伝える・伝わる、わかる・わからない、記憶をつなぐ・つむぐ。
連載 2018-08-28
出版ジャーナリスト 原山建郎
「伝えること」がAからB(特定の相手、または複数の相手)に向けられたメッセージ(情報・意味、思い・感情)」の発信だとすると、「伝わるもの」はAから発せられたメッセージをBがどのようなかたちで受信したか、つまり結果的にAからBに届いた(あるいは届かなかった)中身のことをいう。
たとえば、いったんAから発信された「情報や思い」は、Aの口(からだ)から「Aの言葉」として飛び出した瞬間に、Bのからだの内側(身体感覚)をいったん通過して「Bが獲得した言葉」となり、「伝えられた」Bのからだの中でつむがれた、新たな「Bの言葉」として「伝わる」ことになる。
具体的には、①AがBに「伝えよう」としたこと(Aの熱心さや思いやり)だけが「伝わった」り、②Aが「伝えよう」とする思いとは別の意味(言外のニュアンス、Aの本音?)が「伝わって」しまったり、③Aが「伝えよう」とした情報をBが別の意味(Bの経験や知識を加味して)に読み替えて「伝わる?」こともある。もちろん、④Aが「伝えよう」とする「情報や思い」がそのままBに「伝わる」こともある。
別の言い方をすると、Aの「伝える」からだとBの「つたわる」からだがシンクロ(同期)している①と④の場合には、「伝える⇔伝わる」からだの感覚が同じ息遣いや心拍リズムで動いている。しかし、「伝える⇒伝わる」からだのリズムが異なる場合には、Bの「伝わる」身体感覚、リズムのほうが優位に働く。
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