連載「つたえること・つたわるもの」(42)
マインドマップ=自分との対話、「伝えたいこと」のプロセス化。
連載 2018-06-12
出版ジャーナリスト 原山建郎
前回の本欄で予告した「マインドマップ(法)」は、自分の頭にある潜在的な情報を引き出し、関連する複数の情報と組み合わせ、ひとまとまりの文章(話題)に組み立てるために、頭の中にある情報を「見える化」(自分の目で見て、内容を確認する)するものだが、これはまた、「自分との対話(ひとりブレーンストーミング)」でもある。たとえば、自分の中に「二人の自分」がいると仮定すれば、ひとりはアイディアを出そうと苦戦している自分、そして苦戦している自分を冷静に見ているもうひとりの自分が、「ほら、この間こんなことがあったよね」「○○という本に、こう書かれていたよ」と語りかけているとも考えられる。いま、情報過多の時代に生きる私たちに、いちばん重要なこと、それが「自己内対話(インナー・コミュニケーション)」だと言われる。それはつまり、有用な情報もゴミのような情報もいっしょくたに流れる情報洪水の中で、自分の中にある「確かな情報」を確認する、いわば「内的な」作業が求められている。
前回のコラムで、「空中戦(会話))」と「地上戦(書き記す)」のたとえで説明したように、頭の中に浮かび上がるアイディアは、どこかに書きとめておかないと、どんどん消えていく。今回は、七年目に入った『出版ニュース』の連載コラム「ブックセラピー」№78(6月中旬号=今週発売予定)を書くにあたって、私の頭の中に浮かび上がった「小話題」たちが、どのようなプロセスを経て「1000字前後のエッセイ原稿」になっていったのかを、簡単なマインドマップ(図解)によって示してみたい。
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