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連載「つたえること・つたわるもの」(41)

ホワイトボードの活用で、情報の見える化・共有化をはかる。

連載 2018-05-22

 テーブルの中央に書記役が座って、みんなから出される意見(キー・フレーズ)を順次メモしていく。ほかのメンバーは、そのメモが読める位置(放射線状)に各自のイスを移動して、ディスカッションに参加する。同じ情報(意見)をみんなで共有できると、みんなが同じ意識で話し合いに参加できるようになる。

 もちろん、書記役がメモした意見をもとに、司会役が全体をマネジメントするのだが、ときには書記役が自分の意見を発表しながらそれをメモする、あるいは全体の流れをサポートすることが可能になる。たとえば、同じ内容の意見を一つにまとめたり、A⇒B⇒C、C⇔Dなど矢印で関連づけたりしながら、司会役と書記役が同じ意識でディスカッションをリードする、ダイナミックな関係性も生まれてくる。

 このホワイトボード使用(板書)、A4用紙活用(全体メモ)の狙いは、情報の〈見える化〉である。

 つまり、みんなから出された意見(情報)を、みんなが見える場所に書き出すことで、そこに視覚化された情報(意見)が、書き出された瞬間に、もちろんその後もずっと、みんなの意識のなかで共有される。

 この演習では、齋藤孝さんの著書『会議革命』(PHP文庫、2004年)にあった、「空中戦で終わらせるな、早く地上戦にもちこめ」という戦術を紹介した。ディスカッションの場に出されたアイディア(話しことば)、これは空中戦と同じようなもので、すぐに書きとめておかないと消えてしまう。しかし、ホワイトボードや大き目の紙に文字(書きことば)でその都度、記しておけば、全員が話し合いのプロセスを確認しながら、最終ゴール(結論)をめざす、つまり味方の動きがよく見える、地上戦に持ち込むことができる。

 次回は、自分の頭にある潜在的な情報を引き出し、関連する複数の情報を組み合わせ、組み立てる作業を行うために、頭の中の「見える化」をはかる発想法である「マインドマップ」法を紹介しよう。

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