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連載コラム「ゴム業界の常識・非常識」⑧

日本のゴム産業はどこから始まったのか?

連載 2017-12-05

加藤事務所代表取締役社長 加藤進一

 日本のゴム産業、ゴム工場はどこから始まったか?日本には3つのゴム工業発祥の地があります。

三田土護謨製造の建屋写真(土谷尚雄氏ホームページより)


 1つは日本のゴム「工業」発祥の地で、東京の上野(台東区東上野5丁目)にある明治19年(1886年)創業のゴム製造所、三田土(みたつち)ゴム製造(土屋護謨製造所)です。下の写真のように我国ゴム工業誕生の地の石碑が立っています。今は台東区立上野小学校の入り口の脇になっています。加藤も一昨年この石碑を見に行ってきました。

東京 上野 三田土護謨製造所 日本ゴム工業誕生の地(加藤進一撮影)



 もう一つは福岡県久留米市で、ここは日本のゴム「産業」発祥の地となっています。

 1931年、ブリヂストンがここに久留米工場をスタートし、またムーンスター、アサヒシューズも久留米から始まりました。下の写真はJR久留米駅前にある碑で説明文があります。

 さらにもう一つは神戸です。ここは「近代ゴム産業」発祥の地とされています。その碑が住友ゴム工業の敷地内にあります。1909年、英国ダンロップ社の工場として初の近代的ゴム工場が創業したことになります。住友ゴム工業のサイトからその写真を借用して下に載せてあります。

 例えば東京の右川ゴム製造所は明治30年(1897年)創業で、日本で3番目に古いゴム会社だということです。昔はゴム会社名をよくXXゴム製造所といっていました。

 どうしてこんな話になったかというと、11月17日に神戸で九州ゴム工業会、墨東ゴム工業会(東京)、兵庫ゴム工業会青年クラブの第一回懇話会があり、加藤事務所も墨東ゴム工業会会員としても参加しました。その懇談会のなかで加藤も「世界のゴム業界の現状」について10分ほど講演をしました。その席で、どこが日本で一番古いゴム産業発祥の地かという話になり、結果、九州、神戸、東京もそれぞれ一番古いということになり、これで揉めないで、なるほどということになったわけです。

 ちなみに、東京上野の我国ゴム工業誕生の地の石碑には
「明治十九年(1886年)十二月ニ日 蝦夷松前藩士であった土谷秀立 田崎忠篤  田崎忠怒 田崎長国の四兄弟が日本で始めてゴムの熱加硫法に成功し土屋護謨(ゴム)製造所を東京市浅草区神吉町十五番地(現東京都台東区東上野五丁目 十五番地)に創設した。この製造所は後年発展を重ね三田土ゴム製造株式会社に改組されたがエボナイトの製造をはじめ幾多の技術的開拓は今日隆盛を極める我が国ゴム工業の大きな礎石となっている。ここに日本ゴム工業史上不滅の功績を讃え有志一同相謀り誕生の地に建碑し永く後世に伝えるものである。
台東区長上森貢 撰文並びに謹書
   昭和四十六年三月吉日 日本ゴム工業会 三田土会 建立」と書かれてあります。

 11月には加藤事務所にイタリアのゴムカレンダーメーカーRodolfoComerio社の5代目の方がこられ、一緒に日本のタイヤメーカーを回りましたが、この会社は139年前からカレンダーを製造しており、初めは繊維用のカレンダーでしたが、1925年に世界で初めてタイヤ用のカレンダー機を製造し、ピレリ―社に納入したとのことです。

 こうしてみるとゴム産業はずっと昔からやっていたということをしみじみ思います。

九州 久留米 ゴム産業発祥の地 久留米観光コンベンション(国際交流協会のサイトより)


神戸 近代ゴム発祥の地(住友ゴム工業のサイトより)

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