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循環経済をテーマに制度・経済合理性の課題提起

ゴム技術フォーラム、「第38回公開フォーラム」

その他 New! 2026-04-01

 ゴム技術フォーラム(高田十志和代表)は3月18日、東京電業会館地下大ホール(東京都港区)で「第38回公開フォーラム」を開催した。今回のテーマは「ゴム・エラストマーのサーキュラーエコノミー(循環経済)への展開」で、日本生産性本部コンサルティング部エコ・マネジメント・センター長の喜多川和典氏およびSUBARU技術本部材料研究部担当部長の飯塚隆氏を講師に招き基調講演を実施。さらに同フォーラムが2023年9月に立ち上げた「ゴム・エラストマーのサーキュラーエコノミーへの展開」を課題とする調査委員会(調査委員長:竹村泰彦氏)のワーキンググループ(WG)が、中間報告を行った。会場、オンライン合計で55人が参加した。

ゴム技術フォーラム
高田代表


 高田代表は冒頭のあいさつで「私がリサイクルと出会ったのは、デュポンがリサイクルに乗り出した1985~1986年頃で、当時はそういうことを知る人はいなかった。今は循環経済という呼び方になり、こうした取り組みが当然のものとなっている」と述べ、サーキュラーエコノミーの進展に対する期待を述べた。

日本生産性本部
喜多川氏


SUBARU
飯塚氏


 基調講演では、まず喜多川氏が登壇し「EUにおけるポリマー(プラスチックを中心に)循環の動向と日本の課題」をテーマに、サーキュラーエコノミーで先行する欧州の最新状況をレクチャーした。そのうえで、日本でのサーキュラーエコノミー推進に向けては「産業廃棄物処理法」や、自動車や家電など製品ごとに法制化されているリサイクル制度を見直して全体最適化を図ると同時に、民間事業者のビジネス展開を前提とする仕組み作りが必要と提言した。

 飯塚氏は、SUBARUに入社以来、材料分野で活躍してきた専門家で、さまざまな素材を扱う自動車メーカーならではの視点でサーキュラーエコノミーの展望と課題を紹介した。

 WGの中間報告では、WG1「タイヤを中心としたモビリティ分野」(矢嶋亮リーダー)、WG2「インフラ全般を含む分野」(川原夕佳リーダー)、WG3「エレクトロニクス、スポーツ、医療、家庭用分野」(浪江祐司リーダー)、WG4「製品の長寿命化や原料のバイオマス化などCEに関する基礎研究」(甲斐遼太リーダー)の4分野に分けてサーキュラーエコノミーの最新状況を報告した。そこでは、タイヤと比べ他のゴム製品ではリサイクルの取り組みが遅れている実情や、リサイクル技術の高度化と環境素材の開発が進むものの、経済合理性の都合で社会実装に至るケースがまだ少ないことなどが示された。

 ゴム技術フォーラムは、ゴム産業の技術開発のあるべき姿の追求を目指し、異業種を含むさまざまな分野から講師を招き勉強会を開いている。さらに、特定テーマによる調査研究と年1回の公開フォーラムでの講演・報告・討論、出版物の発行によって、将来像の提言・提案に取り組んでいる。

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