過去最大規模で開催
IRC/ゴム・エラストマー技術展の見どころ
その他 2016-10-24
日本ゼオン、Zetpol中心に展示
日本ゼオンは水素化ニトリルゴム(HNBR)「Zetpol」を中心に展示。パネルを使用し、Zetpolの特性や用途事例等を紹介する。また、IRC北九州で行われる学会では、同社の研究員がZetpolの講演を行う。
HNBRは、ニトリルゴム(NBR)の持つ耐油性を損なうことなく、ブタジエンの二重結合だけを選択的に水素化した高飽和型の耐油・耐熱性ゴム。耐熱性ゴムの中で最も機械的強度が高く、耐寒・耐熱・耐油性のバランスが良い。また耐オゾン性、耐劣化ガソリン性などにも優れる。HNBRを生産するのは世界で2社のみ。日本では日本ゼオンが唯一生産する。
Zetpolは極高ニトリルタイプ、高ニトリルタイプ、中高ニトリルタイプ、耐寒タイプ、ポリブレンドなど幅広いラインアップを有するほか、架橋度と耐熱性の背反する関係を解決した高架橋性のグレードも有している。
「期間中は世界各国からゴムの関係者が来場するが、その中でも中国から多くの人が来場すると聞いている。中国は市場として魅力も大きく、Zetpolとは何か、またその特性などを知ってもらいたい」(日本ゼオン)という。ブースには、中国語を話すことのできるスタッフを配置する。
「展示会では、これまで接点のなかった企業の人と会うことのできる良い機会。今後に活かせる繋がりができればと考えている。当社は、他社にできないオリジナリティの高い技術を有している。それは当社の強みなので、技術力を全面に押し出し、来場者に伝われば良いと考えている」(同)。
旭化成、SBBS新グレード初披露
旭化成は、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S-SBR)、熱可塑性エラストマー(TPE)を展示する。パネルや実物を使用し、その特性などを紹介する。
S-SBRは、同社の中で第5世代となる新シリーズの「XF」、「XB」を出展。技術者向けカンファレンスではすでに公表しているが、展示会で披露するのは今回が初めてとなる。顧客への納入はすでに開始されている。
XF、XBは、ともに両末端を変性したグレードで、XFは連続重合、XBはバッチ重合により生産される。これまでのグレードに比べ、ペイン効果が抑制されており、高いトータルパフォーマンスは維持したまま、転がり抵抗低減とウェットグリップ性能のバランスが向上している。
TPEでは、水添スチレン系熱可塑性エラストマーであるSBBSの新グレードを初披露する。
新グレードは粘接着剤用途が中心。タッキファイヤー(粘着付与樹脂)に対する配合自由度が高く、同じく粘接着剤用途に使用されるSISと比較しても同等だ。衛生材や食品関係で要求のある臭気はSISに比べ低く、耐候性にも優れる。ガラス転移点もSISに比べ低く、低温特性についても優れている。すでに生産、販売を開始している。
TPEでは、そのほかに水添スチレン系熱可塑性エラストマー「タフテック」、スチレン系熱可塑性エラストマー「S.O.E.」も紹介する。
「今回の展示会では、新しい製品を展示している。展示会をきっかけに、広く世の中に知れ渡ればと思っている。実物も展示しており、技術系の社員も配置している。ぜひ手にとって、そして聞いてもらいたい」(旭化成)。
宇部興産、VCR、MBRを出展
宇部興産は、高シスBR(ブタジエンゴム)と高結晶性シンジオタクチックポリブタジエン樹脂を複合化したVCR(ビニルシスラバー)とメタロセン触媒のBRであるMBRを出展する。
VCRは、ゴム製品の軽量化・薄肉化、高硬度・高弾性率化を容易に実現することができるBRで、押出特性(押出量の向上、寸法安定性)や、ロールミル収縮性も改良することができる。他に類似品はなく、同社オンリーワンの製品。タイヤ用途が大半を占め、サイドウォールを中心に、ベーストレッドにも使用される。タイヤの他には、コンベヤベルトやシューズに使われている。
一方のMBRは、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)用途がメイン。同用途に使用されるハイシスBRの「点に対する耐衝撃性」、ローシスBRの「面に対する耐衝撃性」という特徴を両立している。投入量も抑制できコストダウンに繋がるほか、光沢にも優れる。また従来のグレードに加え、溶液粘度の低いグレードも開発。顧客への評価を進めている。
「展示会への出展は、合成ゴムの発展に寄与することとともに、当社の製品について知ってもらうという目的がある。VCRは、まだまだポテンシャルを秘めた製品で、グレードのカスタムも進めている。現地で性能などのニーズを汲み取り、これからもチャレンジしていきたいと考えている」(宇部興産)。
クラレ、液状ゴム紹介
クラレは液状ゴム「クラプレン」を紹介する。
「クラプレン」はタイヤ、ベルト、ホースなどのゴム製品のほか、コーティング剤、粘接着剤、シーリング材など幅広い用途で使用される液状ゴム。
残存モノマーや残存触媒を殆ど含まないため、ほぼ無臭、無色透明。分子量分布が狭い。また可塑剤として機能するとともに二重結合を有するため、固形ゴムと共架橋することで通常のオイルで発生するようなブリードアウトが起こりにくい。
イソプレン系、ブタジエン系、スチレン・ブタジエン系の3種あり、これらを使用することで加硫ゴムの力学物性を落とすことなく混練時間を削減でき、生産性の向上とコスト低減が可能となる。
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