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2023年ゴムベルト生産量は2%減の2万347トン予測

年頭所感/日本ベルト工業会 松尾聡理事長

工業用品 2023-01-11

 2022年の日本経済全体は、経済活動正常化に向けて行動制限緩和を一段と進めたことにより底堅く推移しましたが、ゴムベルト、樹脂ベルト産業界は、オミクロン感染再拡大や中国の大規模なロックダウンに伴う半導体他部材の供給制約のため、需要先である自動車、工作機械、鉄鋼産業の減産、インバウンド需要の縮小の影響を1年を通じて受けました。

 2023年の日本経済は、行動制限がより緩和され景気回復が続くとの見方は変えないものの、欧米の景気後退懸念、ウクライナ侵攻の成り行き、中国経済の回復力の弱さなど外部環境の影響を受け続けると思われます。

 2022年の国内生産量は、ゴムベルト全体で2万810トン(前年比95%)、内需は1万5,314トン(同93%)、輸出は5,496トン(同101%)の見込みです。半導体他部品不足によりベルトの需要先である自動車産業、工作機械産業が減産し、その影響で鉄鋼産業の減産があり、コンベヤベルト、伝動ベルト共に内需は前年割れでした。

 2023年のゴムベルト生産量予測は、2万347トン(前年見込比98%)としました。コロナ前の2019年比では83%と厳しい状況が続きます。内需は国内景気の底堅い回復を受け、1万5,549トン(同102%)、輸出は世界経済の低迷により4,799トン(同87%)です。

 コンベヤベルトの2022年の生産量は9,712トン(前年比95%)の見込みです。内需が6,479トン(同94%)、輸出が3,233トン(同99%)です。内需は主力需要先の鉄鋼メーカー等の需要が自動車産業の減産の影響を受けて粗鋼生産量が減少しベルト交換需要も減少しました。輸出は鉱山需要が好調でしたが、2022年10月以降から世界経済の低迷で大幅に落ち込みました。

 2023年の需要予測は、9,255トン(前年見込比95%)としました。内需が6,636トン(同102%)、輸出は2,618トン(同81%)の見込みです。内需は鉄鋼産業他主力需要先が回復し前年比100%を確保する見込みです。輸出は鉱山需要が落ち込む見通しです。

 伝動ベルトの2022年の生産量は1万1,098トン(前年比95%)の見込みです。内需が8,835トン(同93%)、輸出が2,263トン(同105%)です。内需は自動車産業、工作機械産業の半導体他部材不足による減産の影響を1年を通じて受けました。輸出は海外経済の復調により100%超えでした。

 2023年の需要予測は1万1,093トン(前年見込比100%)としました。内需が8,913トン(同101%)、輸出が2,180トン(同96%)です。内需は自動車産業、工作機械産業の部材不足が解消し前年比100%を確保する見込みです。輸出は欧米および中国経済の減速で前年より落ち込みます。内需輸出合計ではコロナ前の2019年比101%の見込みです。

 樹脂ベルトの2022年の生産量は約113万平方メートル(前年比101%)の見込みです。内需が約105万平方メートル(同101%)、輸出が約7.8万平方メートル(同104%)です。行動制限が緩和されてきたとはいえ、食品分野は外食やお土産向けはコロナの影響で苦戦しましたが、中食向けは比較的好調でした。ネット通販の活況や個包装の拡がりにより大型物流倉庫新設等物流分野は好調を持続し、また、段ボール需要が増加し、包装、紙工向けも好調でした。

 2023年の需要予測は、約116万平方メートル(前年見込比103%)と100万平方メートルの大台は確保できる見通しです。コロナ前の2019年比では96%と本格的回復はまだ先の見通しです。内需が約108万平方メートル(同103%)、輸出が約8.2万平方メートル(同105%)です。物流分野、包装・紙工分野は好調を維持しますが、樹脂ベルトの2019年超えにはインバウンド需要、外食産業の回復による食品分野全体での底上げが必要です。

 今後、欧米はインフレ抑制のための金融引き締めにより景気が減速し、中国もゼロコロナ政策が緩和されても労働力人口の減少ペース加速等により回復力は弱いものの、一方で日本では緩やかですが景気回復していきます。

 当会は、経済政策や需要先動向等を的確に把握しタイムリーなデータサービスを行う一方、ISO/TC41のメンバーとして日本の考え方をISOに反映させ日本規格の国際化を推進する等、ベルト業界発展のため貢献していきます。

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