マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努

 OSE天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=410円台中盤までじり安の展開になった。中東情勢が不安定化したことで原油相場が乱高下したが、ゴム相場は調整売り優勢の展開が続いた。ドル/円相場は1ドル=163円台でほぼ横ばいとなり、相場への影響は限定された。

 上海ゴム先物相場は、1トン=1万6,000元台前半まで下落している。1万6,000元台後半で売買が交錯していたが、月末に向けて上値の重さが目立った。

 中東情勢は大きく揺れ動いている。米国とイランの攻撃の応酬が一服したことで、原油供給の改善期待が、WTI原油先物相場を1バレル=93.50ドルから77.78ドルまで押し下げた。しかし、その後はイラン革命防衛隊がヨルダンの米軍基地、サウジアラビアの石油関連施設を攻撃し、米国とサウジアラビアがイランに報復攻撃を行ったことで、80ドル台中盤まで急反発している。このため、金融市場も大きく揺れ動く不安定な地合になったが、ゴム相場に対する影響は限定された。

 こうした中、上海ブタジエンゴム先物相場が大きく値を崩したことはネガティブ。1トン=1万4,000元水準で上値を抑えられ、1万3,000元水準まで下落している。上海天然ゴム先物相場との価格差が改めて拡大しているが、ブタジエンゴム相場の急落を受けて、天然ゴム相場がつれ安するような動きもみられなかった。

 一方、供給環境が改善しているとの見方はネガティブ。エルニーニョ現象の影響で、東南アジアでは高温や局地的な豪雨などが報告されている。タイ南部では、モンスーンによる豪雨や強風、鉄砲水などが報告されている。しかし、東南アジア全体では季節的な増産圧力も強まっており、ゴム相場が調整売りを進めた一因として指摘されている。

 ただし、タイ現物相場はUSS、RSSともに小動きに終始しており、OSEゴム先物相場でも当限主導で相場を大きく下押しするような動きはみられなかった。サヤは、緩やかな逆サヤ(期近高・期先安)を形成している。

 需要サイドの動向は、あまり材料視されていない。中国自動車市場の減速懸念が引き続き上値を圧迫しているが、年末に向けて景気刺激策が導入されるとの期待感もあり、決定打を欠いている。銅などの非鉄金属相場は高値圏を維持しているが、上海先物取引所の天然ゴム在庫の積み増しが続いていることもあり、需要期待を織り込むような動きは鈍かった。

 短期間で売買テーマが入れ替わる投機色の強い値動きが続いている。このため値動きも不安定だったが、OSEゴム相場は7月6日以来の安値を更新した。