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【新年インタビュー】西部ゴム商組祖父江一郎理事長

組合員の発展第一義に 参加者満足度を高めたい

商社 2017-01-24


 16年の役員改選で若手経営者の勉強会「次世代経営者の会」から新たに理事3人、監事2人が加わるなど役員人事の活性化が顕著な西部工業用ゴム製品卸商業組合。「組合の存在価値は、組合員の発展あってこそ」と話す祖父江理事長は、組合員、社員の参加機会を増やす事業・行事の強化で、組合員の満足度をさらに向上していく考えだ。

 ■2016年を振り返って
 16年の景況は、ここ数年でもっとも悪かったですね。関西経済をけん引してきた家電が引き続き縮小しており、景気は停滞の感を強くしました。

 その家電業界では、シャープが台湾企業に買収され、東芝が中国企業に家電部門を売却しました。海外企業が主導すると従来の商流が乱れ、商業者にとって市場は縮小します。

 またユーザーの合併・統合も無視できません。昨年は海運大手3社のコンテナ事業統合や、トヨタとスズキの提携の発表がありました。こうしたことで資材調達が一本化し、売る側はさらなるコストダウンが求められ、その結果、市場の縮小、淘汰は進むでしょう。

 対抗策が商社側にあるかというと難しい。原材料が下がってメーカーに値下げを申し入れてもゼロ回答が多く、一方ユーザーは値上げを認めません。利幅は下がる一方です。おそらく16年は、多くの組合員が売上げ微減、利益大幅減という状況ではと思います。

 ■ネット販売
 異業種によるネット通販の影響が出始めています。ネット通販大手ではメイン商品を運ぶついでにゴム製品を持っていく。当然、物流費は下がり、製品を安く売ることができる。これは工業用ゴム・樹脂製品をメインとするわれわれにとって大きな脅威です。同業からネット商売を始めるところが出てきてもいい時期でこのままいけば異業種に市場を取られます。

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