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2023年12月期第1四半期業績

クリヤマホールディングス、北米事業および欧州・南米事業は増収増益

決算 2023-05-15

 クリヤマホールディングスの2023年12月期第1四半期(1~3月)業績は、売上高が184億3,400万円で前年同期比7.5%増、営業利益が13億4,900万円で同2.0%増、経常利益が15億300万円で同6.8%増、純利益が10億6,900万円で同3.0%増だった。

 セグメント別業績は次の通り。

 ◆アジア事業=売上高が72億4,800万円で同7.7%減、営業利益が7億2,400万円で同21.7%減。

 産業資材事業は、主要顧客の建機・農機および欧州乗用車メーカーの生産台数が減少した影響を受け、尿素SCR用モジュール・タンクなどの部材の販売が減少。また、中国経済の回復の遅れに伴い、同国における建機の生産台数が軟調に推移したため、関連商材の販売が減少したことで、売上高は44億2,100万円で同3.8%減、営業利益は6億5,800万円で同9.4%減。

 スポーツ・建設資材事業は、運動場、体育館などの文教施設における改修、新設物件への営業強化が奏功し、陸上競技用全天候舗装材および体育館用床材の販売が増加したものの、国内の商業施設や鉄道施設などで使用される大判セラミックタイルなどの販売が減少しましたことで売上高は26億6,400万円で同13.0%減、営業利益は1億3,700万円で同33.4%減となった。

 その他事業は、イタリアのスポーツアパレルブランド「MONTURA」は、名古屋に直営店を出店したことにより店舗販売が増加したが、量販店への販売が伸長せず、売上高は1億6,200万円で同15.1%減、営業利益は広告宣伝活動や新規出店に伴うマーケティング費用の増加により7,000万円の損失(前年同期は700万円の損失となった。

 ◆北米事業=売上高が98億800万円で同19.0%増、営業利益が6億7,000万円で同13.1%増。底堅さを見せる北米経済を背景に、米・インディアナ州の倉庫機能改善、メキシコ西部に新たな物流拠点の設置をはじめとした物流機能の最適化に努めたことが各種ホース・継手の販売機会を獲得する契機となった。また、コスト上昇に対する価格転嫁の進展に円安の影響が加わったことで増収増益となった。

 産業用樹脂ホース「Tigerflex」は、農業、製造業、鉱業など、多岐にわたる関連分野が活況だったため、販売は総じて好調を維持した。

 高機能/汎用樹脂ホース・飲料用ホース「Kuri Tec・Accuflex」は、大手飲料メーカーやコンビニエンスストア向けに飲料用ホースの販売が高水準を維持したことに加え、製造業の活況を受け、エアーツール用や配送用ホースの販売が増加した。

 ペイントスプレーホース・下水配管洗浄用ホース「Piranha」は、市場在庫が高い水準で推移し、需要が一時的な踊り場を迎えたため、外壁塗装用ペイントスプレーホースの販売は弱含みで推移。一方、取り換え需要が旺盛だった下水配管洗浄用ホースの販売は好調に推移した。

 ゴムホース・その他は、米国南部やメキシコ圏内のオイルガス関連需要が堅調に推移していることから、低圧用、高圧用共にゴムホースの販売が増加した。

 ◆欧州・南米事業=売上高が13億7,800万円で同31.1%増、営業利益が1億4,800万円で同133.4%増。

 欧州域内および南米地域における地産地消の優位性を活かした営業活動から消防機関向け「消防用ホース・ノズル」および農業・一般産業分野向け「レイフラットホース」の販売が増加。また、北米事業の販売ネットワークを活かした米国消防機関への営業活動が奏功し、「消防用ホース」のシェア拡大が進展したことで増収。営業利益はアルゼンチンの子会社に対する超インフレ会計適用がマイナス要因となったものの、適切な需要の取り込みと価格転嫁による増収効果により増益となった。

 2023年12月期通期業績は、売上高710億円で前期比0.7%減、営業利益42億円で同7.9%減、経常利益46億円で同7.5%減、純利益33億円で同9.3%減を見込んでいる。

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