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2022年12月期第3四半期業績

クリヤマホールディングス、北米事業、欧州・南米事業は増収増益

決算 2022-11-09

 クリヤマホールディングスの2022年12月期第3四半期(1~9月)業績は、売上高が537億5,000万円で前年同期比22.1%増、営業利益が33億3,700万円で同5.5%減、経常利益が36億8,000万円で同6.0%減、四半期純利益が26億7,500万円で同17.1%減だった。

 セグメント別にみると、アジア事業は売上高が220億3,100万円で同6.6%増、営業利益が21億3,300万円で同12.9%減。

 そのうち、産業資材事業は売上高が134億8,600万円で同0.3%増、営業利益が18億3,000万円で同13.4%減。中国の上海市をはじめとしたロックダウンが解除され、サプライチェーンが回復したことにより日本において建機・農機メーカーの生産活動が段階的に引き上げられたことから、尿素水識別センサーおよび尿素SCR用モジュール・タンク等の販売が増加。一方でウクライナ情勢や半導体不足による影響から欧州自動車メーカーの生産台数が減少したことにより、自動車向け尿素水識別センサーの供給は限定的となった。営業利益は原材料費、物流費に加え、円安による海外調達品コストの増加などから減益となった。

 スポーツ・建設資材事業は売上高が80億1,800万円で同18.3%増、営業利益が4億1,400万円で同1.0%増。民間設備投資が持ち直していることから、国内商業施設向け「スーパー・マテリアルズ」(大判セラミックタイル)の販売が増加したことに加え、鉄道施設の安全対策強化を目的とした設備投資も底堅く推移しており、「ECOセンタン」(ノンスリップタイル)の販売が好調に推移。また、運動場、体育館などの文教施設における改修、新設物件の需要も堅調なことから、「モンドターフ」(ロングパイル人工芝)および体育館用床材「タラフレックス」(弾性スポーツシート)の販売が増加した。営業利益は工事材料費や人件費の相次ぐ上昇により微増に留まった。

 その他事業は売上高が5億2,600万円で同16.3%増、営業損失が1億1,000万円(前年同期は7,400万円の損失)。イタリア製スポーツアパレル「MONTURA」は、テレビコマーシャルやSNSをはじめとした広告宣伝活動を強化するなど、ブランドの認知度向上に努めた結果、オンライン、直営店、量販店の販売が総じて増加。また、ダストコントロール事業は、レンタル向けダストコントロール用マットの需要が持ち直したことで販売が増加した。営業利益は広告宣伝活動を含むマーケティング費用の負担により損失幅が拡大した。

 北米事業は売上高が281億500万円で同37.9%増、営業利益は16億9,400万円で同7.1%増。幅広い用途に各種産業用ホース・継手の販売が増加。外食産業向け「飲料用ホース」や住宅外壁塗装用の「ペイントスプレーホース」の需要は高水準を維持しており、灌漑を含む農業分野向け「レイフラットホース」なども季節需要のピークは過ぎたものの、底堅く推移していることから前年同期を上回る販売を維持した。現地通貨ベースでの売上高が増加したことに加え、円安の影響により売上高は大幅に増加。一方、営業利益は依然として物流費の上昇圧力が強く、インフレの加速が価格転嫁を上回ったことから1ケタ台の伸びに留まった。

 欧州・南米事業は売上高が36億1,300万円で同21.1%増、営業利益が2億9,200万円で同32.9%増。スペインとアルゼンチンに拠点を置く製造販売子会社では、北米事業の販売ネットワークを活用した消防機関向け「消防用ホース・ノズル」の米国向け輸出が増加。また、灌漑を含む農業分野向け「レイフラットホース」の販売は欧州諸国で堅調に推移し、アルゼンチンのオイルガス市場向け「大口径レイフラットホース」の需要も増加したことから売上高は大幅に増加。営業利益は欧州におけるエネルギー価格が高止まりしていることに加え、アルゼンチンの超インフレ会計適用がマイナス要因となるものの、適切な需要の取り込みと価格転嫁により売上高が増加したことで増益となった。

 2022年12月通期業績予想は、売上高630億円で前期比5.8%増、営業利益が43億円で同0.0%減、経常利益が47億円で同1.6%減、当期純利益が32億円で同16.0%減を計画している。

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