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2023年3月期第3四半期業績

不二ラテックス 、増収も営業利益は減少

決算 2023-02-08

 不二ラテックスの2023年3月期第3四半期(4~9月)業績は、61億7,600万円で前年同期比0.6%増、営業利益が5億7,100万円で同11.7%減、経常利益が5億5,300万円で同10.3%減、純利益が3億9,000万円で同10.6%増だった。

 セグメント別では、医療機器事業は売上高が18億400万円で同2.5%増、営業損失が7,300万円(前年同期は1,500万円の損失)。主力のコンドーム事業は生産調整等により減収となったが、新素材コンドームや検査薬等の商品群が好調で補完し、メディカル製品も欧州向けの販売が好調だった。利益面では不採算製品の見直し、販売費節減に継続的に取り組んだほか、メディカル製品では生・販部門一体となった効率化、費用削減、生産歩留まり向上策により増益を確保。しかし、主にコンドームの生産調整等の実施に伴う原価増要因により全体では赤字幅は拡大した。

 精密機械事業は売上高が38億6,100万円で同3.3%減、営業利益が9億1,200万円で同9.3%減。好調だった前期と比べ減収減益となったが、部材不足等による一般産業機械市場の需要減をその他の市場向けで補完することで順調に推移。利益面では売り上げ減少による減益に加え、原材料費高騰による製造費用の上昇などで原価率は前期実績対比で上昇したが、生産効率化やコスト削減への取り組み等により原価上昇圧力の吸収に努めた。

 SP事業は売上高が3億2,100万円で同36.5%増、営業利益が1,100万円(同800万円の損失)海外からの部材調達の遅れや屋外利用を想定した販促市場向けの需要回復が弱含でいることなどの下押し要因を、主力取引先での需要回復や新商品の投入効果が上回った。

 食品容器事業は売上高が1億8,800万円で同27.6%増、営業利益が6,200万円で同369.2%増。季節商品やネット販売が好調で、利益面では前期発生した設備投資・修繕等の一時的要因が今期解消したことや販売単価の一部引き上げが寄与した。
 

通期業績予想を上方修正

 同社は2023年3月期通期業績予想を上方修正した。売上高予想を据え置いたが、営業利益は部材高騰に伴うコスト増を生産効率化などにより想定よりも吸収できるほか、販管費の削減により物流コスト等の上昇を抑制できたため、前回予想を上回る見込み。経常利益は有利子負債の削減に伴う支払利息の減少等により、営業外損益が改善される見込み。

 ■2023年3月期通期業績予想
 ◇売上高=81億円(前回予想と変わらず)◇営業利益=7億円(前回予想5億円、増減率40.0%増)◇経常利益=6億7,500万円(同4億6,000万円、同46.7%増)◇純利益=4億6,500万円、同45.3%増)

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