2024年3月期業績
不二ラテックス、医療機器事業は5年ぶりに黒字
決算 2024-05-15
不二ラテックスの2024年3月期業績は、売上高が75億800万円で前期比7.1%減、営業利益が4億3,900万円で同42.2%減、経常利益が3億8,200万円で同47.7%減、純利益が2億8,900万円で同44.0%減だった。
セグメント別にみると、医療機器事業は売上高が23億6,700万円で同1.9%増、営業利益が800万円(前期は1億300万円の損失)。営業利益は5年ぶりに黒字を計上した。
主力のヘルスケア部門については、国内市場においては採算を重視した製品・商品ラインアップの絞り込みと販売チャネル選択に注力。また、海外市場向けには前期比で出荷数が大幅に増加したほか、円安に伴う円ベースでの販売増加効果も売り上げ底上げの要因となった。新素材コンドーム「SKYN」の売り上げやメディカル製品の売り上げも堅調に推移した。
利益面ではヘルスケア事業における不採算製品の見直し、販売費節減への継続的な取り組みに加えて、生産効率などの改善に向けた取り組みの効果が徐々に発揮され、採算が大幅に改善した。また、メディカル製品については、労務費の上昇や原料切り替えに伴う生産コストの上昇を生産効率化で吸収しきれなかったものの、子会社の不二ライフの業績が好調に推移したことが営業利益を押し上げ増益となった
精密機器事業は売上高が41億6,800万円で同18.4%減、営業利益が8億3,100万円で同32.0%減。
精密機器事業は一般産業機械市場の需要低迷が想定以上に長期化したことや欧州市場の景気回復の遅れや中国市場の景気減速が影響し、一部の取引先業種で在庫調整が発生したことなどが重なり、大幅な減収となった。労務費の上昇や部材などのコスト上昇を生産の合理化と販売価格の適正化により吸収し、原価コントロールに努めたが、減収の影響が大きく、販売費を含めた利益率の下押し要因となった。
SP事業は売上高が7億3,500万円で同77.4%増、営業利益が3,600万円で同122.1%増となった。主力取引先に対して企画商品を中心にバルーンの販売が好調に推移した。
食品容器事業は売上高が2億3,600万円で同0.1%減、営業利益が2,900万円で同57.1%減となった。海外向け販売が伸びず減収。労務費の上昇や原料切り替えに伴う生産コストの上昇を販売増加や生産効率化で吸収できず減益となった。
2025年3月期業績は、売上高81億円で前期比7.9%増、営業利益5億4,000万円で同22.8%増、経常利益5億1,000万円で同33.5%増、純利益2億9,000万円で同0.1%増を見込んでいる。
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