【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、上海ゴムの国慶節明け待ち
連載 2017-10-10
(マーケットエッジ株式会社 小菅 努)
TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、1キロ=200-210円のレンジでやや底固い展開になっている。中国が10月1-8日にかけて国慶節の連休になる中、手掛かり難から薄商いのポジション調整中心の展開になった。
ここ最近の国際ゴム相場は上海ゴム相場の動向に強く依存しているが、その上海ゴム相場が売買材料を提供できない中、円相場の動向などを眺めながらの小動きに終始している。安値201.20円-高値209.70円と狭いレンジ内での売買に留まった。
天然ゴム需給に関しては特段の新規材料が見当たらない状況にある。タイ中央ゴム市場における未燻製シート(USS)とRSSの集荷量は低位で安定している。気象環境は総じて良好ながらも、価格水準が大きく切り下がる中、農家の売却意欲は後退している。
現物相場はUSSが1キロ=50バーツ、RSSが54バーツ水準とあって、産地ではゴム相場の急落に対して強い危機感が見受けられる。ただ、市況対策に関して特に具体的な議論の盛り上がりは確認できない。いつ政策的な調整が行われても不思議ではない安値水準であることを認識しておく程度で十分だろう。
9月の米新車販売台数は前年同月比6.1%増と急増した。8月下旬から9月上旬にかけて米南部を襲った大型ハリケーンの影響で、廃車が増えた結果、新車需要が急増している。予想されていた通りの結果と言えるが、こうした動きは当然にタイヤ販売環境にもポジティブ材料になる。ただ、マーケットではこうした需要サイドの動向に対する関心も低く、相場に対しては殆ど反映されていない。
為替市場で円安傾向が強くなっていることはポジティブである。米国の年内利上げ観測がほぼ確実な情勢になる中、米金利上昇と連動した円安・ドル高圧力が発生している。ただ、マーケットの関心は円相場よりも連休明け後の上海ゴム相場の動向に集中しており、為替要因を相場に反映していくような動きは限定された。
目先は、上海ゴム相場の連休明け後の動向が最大の焦点になる。ここで連休前の急落地合を引き継ぐような動きが見られれば、東京ゴム相場は200円の節目割れでコアレンジを更に切り下げる方向になる。一方、連休明けで安値是正の動きが強まれば、210円台回復の方向になる。
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