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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、上げ一服後の調整局面に

連載 New! 2026-05-25

マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
 OSE天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=410円水準まで軟化する展開になった。投機色の強い急ピッチな値上がりが続いたことで、5月14日には430.20円まで値上がりして2011年4月以来の高値を更新していた。しかし、過熱感の高まりから持高調整の売りが上値を圧迫し、高値から約20円の値下がりとなった。

 上海ゴム先物相場は1トン=1万7,000元台中盤まで下落した。5月14日には1万8,395元まで値上がりしていたが、持高調整の売りが上値を抑えた。

 4月下旬以降は投機色の強い不安定な地合が続いている。原油相場や株価などとの連動性も薄れ、思惑先行の値動きになっている。ただし、ファンダメンタルズと乖離した高値が形成されているとの見方が強まる中、上げ一服となった。短期間で急伸地合が形成されたため、需要家の高値対応が可能なのかを巡る不透明感の高まりが警戒された。

 これと同様の値動きは非鉄金属市場などでも観測されており、投機買いによる急ピッチな値上がりに対する反動安が観測された。ただし、OSEゴムの410円割れ、上海ゴムの1万7,000元台前半では値頃感から買いを入れる動きもみられた。

 産地からの供給圧力が強くなっていることはネガティブ。タイなどではウインタリング(落葉期)明け後の供給増加が報告されている。局地的には暴風雨による洪水や鉄砲水などの災害が発生するリスクが高めの状態にあるが、全体としては季節傾向に沿う形での増産圧力が認められ、ゴム相場の上値を圧迫する要因になった。ただし、OSEゴム相場を当限から大きく押し下げるような動きまではみられなかった。

 原油相場は高値波乱の展開が続いている。米国とイランの和平合意が成立する見通しが立たず、供給ショックの長期化が警戒されたことが、原油相場を下支えした。ただし、いずれにしても米国とイランが和平合意に達する時期は近いとの楽観的な見方もあり、本格的な原油高に発展するまでの勢いはみられなかった。

 ホルムズ海峡の封鎖が続いているため、引き続き合成ゴムの価格・供給環境には不透明感が強いが、上海ブタジエンゴム相場は上げ一服後の調整売り優勢の地合が続いている。

 為替相場は1ドル=150円台後半で膠着化している。インフレ懸念から米金利上昇圧力が強くなっているため、主要通貨に対してドルは堅調に推移している。しかし、日本政府・日銀の円買い介入に対する警戒感も強く、ドル/円相場の値動きは限定された。為替要因で円建てゴム相場を大きく動かすような動きは見送られた。

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