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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、今年最高値圏での取引に

連載 New! 2026-04-27

マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
 OSE天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=386.10円で下げ一服となり、400円水準まで切り返す展開になった。4月7日の400.70円で上げ一服となった後は調整売りが膨らんでいたが、改めて押し目を買い拾われており、今年最高値圏での取引となった。

 原油相場が安値から切り返したことに加えて、引き続き合成ゴムの供給不安が天然ゴム相場を支援している。

 上海ゴム先物相場は、1トン=1万7,000元台前半まで切り返している。調整売りで一時1万6,480元まで値下がりしていたが、押し目は早めに買い拾われている。今年最高値圏での取引となっている。

 原油相場は安値から切り返している。イランのアラグチ外相は4月17日、ホルムズ海峡の全面開放を表明した。しかし、その後は米国の合意違反などを理由に再閉鎖に踏み切ったため、原油・石油製品の流通環境に改善はみられなかった。米国とイランとの間では2回目の協議を開催できない状況が続いており、先行き不透明感の高さが改めて原油相場を押し上げたことはポジティブだ。

 上海ブタジエンゴム先物相場は上げ一服となっているが、各種ゴム製品の供給不安が高まっていることが、天然ゴム相場を下支えしている。イラン戦争の影響で天然ゴムと合成ゴムの価格が大きく上昇したことで、タイヤ、ゴム手袋、コンドームなど幅広いゴム製品で値上げの動きが報告されている。工場のマージンを確保するため、原材料価格の上昇分の転嫁が着実に進んでいることが、ゴム相場を下支えしている。

 また、引き続き合成ゴムの供給不安が強いこともポジティブ。ホルムズ海峡の封鎖が続いているため、各国でナフサなど石油製品の供給がタイト化した状態が続いている。この影響で石油化学産業では工場稼働率引き下げなどの対応が広がっているが、合成ゴムの供給不安が高まっていることが、安定調達が見込める天然ゴム相場を下支えしている。必ずしも合成ゴムから天然ゴムへの大規模な需要シフトが発生しているわけではないが、合成ゴムとの関係性が天然ゴム相場を下支えする展開が続いている。

 産地は減産期から生産期への移行時期になる。5月は季節要因から一段と供給量が増えるとの見方はネガティブ。ただし、東南アジア全域で高温傾向が報告されているため、逆に供給リスクを織り込む動きもみられるなど、評価が定まりづらい地合になった。最高気温がすでに30度台後半に達している地域も少なくない。

 為替相場は1ドル=150円台後半で売買が交錯し、明確な方向性を打ち出せなかった。円建てゴム相場は、為替要因で大きな値動きは求められない環境が続いている。

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