【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、株高と天候不順で高値更新
連載 2026-05-11
マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
OSE天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=410円台まで値上がりし、2024年10月以来の高値を更新した。大型連休で営業日が限られたが、400円の節目突破から連休明けの5月7日には417.30円まで上値を切り上げる展開になった。原油相場が高値から下押しされ、為替が円高に振れるなどネガティブ材料も見られたが、合成ゴムの根強い供給不安、産地天候不順、世界的な株高環境などを背景に上値追いの展開が維持された。

上海ゴム先物相場は1トン=1万8,000元に到達し、2025年2月以来の高値を更新した。5月1~5日は労働節の連休だったが、連休を挟んで連日の高値更新となった。
原油相場が高値から大きく下押しされたことはネガティブだ。米国とイランの和平合意の実現は不透明感も強いが、原油市場では近く和平合意が実現し、ホルムズ海峡が解放される可能性を織り込んでいる。ただし、合成ゴムの価格・供給環境が不安定化した状況に大きな変化は見られず、原油安に連動した天然ゴム相場の急落は回避された。
5月入りしたことで、産地では減産期から生産期への移行が進みやすい時期になる。ただし、天候不順も報告されているため、季節要因でゴム相場を大きく下押しするような動きは見られなかった。
タイ気象庁によると、5月中旬は暴風雨が発生し、農地では洪水や鉄砲水などの被害が発生する可能性が警告されており、供給量が大きく落ち込むリスクがある。そのため、減産期から生産期への移行が順調に進まない可能性はポジティブだ。
今夏は異常気象「エルニーニョ現象」の発生が確実視されている。強いエルニーニョ現象が発生する可能性が高く、農産物生産全体への悪影響が警戒されている。また、中東情勢の不安定化で、肥料価格が高騰している影響も引き続き警戒されている。肥料投資が抑制されると、短期のみならず中長期の生産環境に大きな影響が生じる可能性がある。農産物市場全体でエルニーニョ現象と肥料価格高騰のリスクを織り込む動きが見られ、こうした地合の中で天然ゴム相場も底堅く推移した。
一方、為替相場が円高気味に推移したことは、円建てゴム相場に対してネガティブ。日本政府・日銀は大型連休の間に繰り返し円買い・ドル売り介入に踏み切った模様であり、1ドル=160.72円をピークに、156円水準まで円高・ドル安に振れている。為替要因では値下がりしやすい環境になった。
ただし、イラン戦争の早期終結期待が日経平均株価を過去最高値まで押し上げており、投資家のリスク選好性の高まりは、ゴム相場を支援した。
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