【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、上げ一服後の調整売り優勢
連載 2026-04-20
マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
OSE天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=390円台前半まで下落した。4月7日には400.70円まで値上がりしていたが、上げ一服後の調整売りが優勢になった。引き続き合成ゴムの供給不安が下値を支えるが、ゴム需要全体の落ち込みや、減産期から生産期への移行に対する警戒感も強く、上値を圧迫された。

上海ゴム先物相場は1トン=1万6,000元台後半まで下落した。4月13日の1万7,325元で上げ一服となり、急ピッチな値上がりの反動安になった。
イラン情勢は引き続き不安定であり、ホルムズ海峡からの原油・石油製品の供給もほぼ停止した状態にある。このため、アジア地区でもナフサ不足が深刻化し、合成ゴム製品の供給が落ち込み始めていることは、天然ゴム相場に対してポジティブだ。
原油安の影響もあって合成ゴムの上海ブタジエンゴム先物相場は1万6,000元台前半まで下落しているが、供給不安が解消されたわけではない。価格面で合成ゴムに対する天然ゴムの割安感は解消されているが、このまま合成ゴムの供給量が抑制された状態が続くと、天然ゴムに代替需要が発生するとの思惑が、引き続き天然ゴム相場を下支えしている。
また、医療や工業用のゴム手袋などの供給面でも混乱が報告されている。ニトリルラテックスの価格上昇と供給不安を受けて、天然ゴムラテックスへの依存が高まり、タイ現物市場ではRSSよりもラテックスが割高な状態が続いている。
イラン戦争が原油・石油製品供給に混乱をもたらして、合成ゴムから天然ゴムまで市場環境を不安定化させる構図が続いている。
一方、産地は減産期から生産期への移行が進み始めている。ウインタリング(落葉期)もピークを過ぎており、季節要因だと今後は生産量が増加に転じやすい時期になる。ただし、今年の東南アジアは高温傾向が強いことに注意が必要だ。タイ南部などでは最高気温が既に30度台中盤から後半に達している地域も多い。乾季から雨季への移行が順調に進まない場合には、ウインタリングが長期化する「ハード・ウインタリング」に発展する可能性にも注意したい。
需要サイドでは、中国などでタイヤ工場の稼働率低下が報告されている。天然ゴム、合成ゴムなどの原材料価格が高騰しているため、工場の稼働率が低下している。こうした動きはゴム業界に限定されたものではないが、「原材料価格の高騰」と「製品価格の値上げ」のバランスが崩れているため、利益率の低下がゴム需要を抑制している可能性がある。イラン戦争の余波は読みづらく、天然ゴム需要環境には強弱双方の影響が想定されている。
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