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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、株高で押し目買いが優勢

連載 New! 2026-06-01

マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
 OSE天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=401.90円まで値下がりした後、420円水準まで切り返す不安定な地合になった。急ピッチな上昇が一服した後の調整売りで400円の節目に迫っていたが、イラン和平への期待感から世界的に株高が進行したこともあり、改めて押し目を買い拾う動きが優勢になった。

 上海ゴム先物相場は1トン=1万7,000元台前半で下げ渋り、1万7,000元台中盤まで小反発した。上海ブタジエンゴム先物相場は大きく値を崩しているが、天然ゴム相場は押し目買いの動きがやや優勢だった。

 ブタジエンゴムに関しては、工場メンテナンスが一巡したこともあり、増産圧力が強くなっている。また、原油相場の値下がりを受け、コスト面からも値下がり余地が拡大している。このため、1万5,000元台中盤から1万4,000元台中盤まで大きく値を崩している。天然ゴムとブタジエンゴムの価格差は3,000元を超えている。ただし、こうしたブタジエンゴム相場の値下がりを手掛かりに、天然ゴム相場を大きく下押しする動きはみられなかった。

 米国とイランの和平合意に対する期待感が高まっている。実際に合意が成立するかは不透明だが、原油相場は約1カ月ぶりの安値を更新している。このため、原油相場につれ安となるコモディティも目立ったが、ゴム相場は逆行高になった。原油安が世界的に株価を押し上げ、日経平均株価は過去最高値を更新している。投資家のリスク選好性の高まりが、ゴム相場も押し上げている。

 中国の4月工業部門企業利益が前年同月比24.7%増と、3月の同15.8%増から伸びが加速したこともポジティブ。内需は停滞しているが、上流部門の価格上昇と人工知能(AI)関連産業の活動が活発化していることが、工業部門の企業利益を押し上げている。ゴム相場を含む素材市況全体を下支えする要因になった。

 一方、産地供給環境は安定している。減産期から生産期への移行が進んでおり、産地からの供給量が増加傾向にあることはネガティブ。局地的な天候不順が報告されていること、異常気象の「エルニーニョ現象」の発生が予想されていることなどに注意が必要だが、供給リスクのプレミアムを加算する必要性は乏しい状態が続いている。ただし、供給サイドの要因でゴム相場を押し下げる動きは一服しており、マーケットの関心は高まらなかった。

 ドル/円相場は1ドル=159円台まで小幅に円安・ドル高に振れたことは、円建てゴム相場に対してポジティブ。原油安環境でも値下がりが回避され、ドルの底堅さと円の上値の重さが再確認されている。

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