【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、期先限月はじり安が続く
連載 2022-07-25
マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
JPX天然ゴム先物相場(中心限月)は、1キロ=230円台後半まで値下がりする展開になった。上海ゴム相場は下げ一服となっているが、産地相場の値下がりが続いていることもあり、調整売り優勢の展開が続いた。3月8日以来の安値を更新している。

当限は250円台をコアに乱高下しながらも底固さを見せているが、当限主導で期先限月の底入れ、反発を促すまでのエネルギーはなかった。ドル/円相場はほぼ横ばい推移となり、ゴム相場に対する影響は限定された。
上海ゴム先物相場は、1トン=1万1,000元台後半で揉み合う展開になった。需要不安を背景に7月15日安値は1万1,655元に達していたが、その後は下げ一服となっている。ただ、積極的に安値修正を進めていくまでの勢いはなく、下げ止まったが反発は見送る中途半端な値動きに留まった。
7月入りしてからはインフレ抑制のために世界的に利上げが活発化していること、さらに中国で新型コロナウイルスの感染被害が広がりを見せていることが、景気減速懸念を通じてコモディティ価格全体を大きく押し下げていた。しかし、その後は短期的な下げ過ぎ感が強いと評価されたこと、さらに中国政府の景気対策期待がコモディティ価格を下支えする展開に移行した。先行き不透明感から上値は抑えられているが、連日のように下値を切り下げる動きは一服した。これは原油や非鉄金属相場などにも共通した値動きであり、コモディティ価格全体が急落一服後のボックス相場に移行している。
一方、産地相場は値下がり傾向が続いている。タイ中央ゴム市場の現物相場は、7月21日時点でUSSが前週比1.0%安の1キロ=56.80バーツ、RSSが同1.5%安の58.11バーツとなっている。東南アジアも高温・多湿傾向が強くなっているが、ゴムの集荷環境に大きな問題は報告されていない。一部地域で豪雨による洪水被害の発生も報告され始めているが、中央ゴム市場の集荷量はUSS、RSSともに増加傾向にある。安値を嫌った売り渋りといった動きも鈍く、供給環境は安定傾向が目立つ。
上海ゴム相場が横ばい、産地相場が軟化、円相場が横ばいとなる中、JPXゴム相場は当限が横ばい、期先限月が軟化と限月間の対応が割れている。当限は引き続き国内在庫水準の低さからのサポートが強い。7月限納会を7月25日に控える中、大きく上昇することはなかったが、底固さを維持している。この結果、7月限と12月限の逆サヤ(期近高・期先安)は7月21日終値時点で15.70円と比較的大きめの水準を維持している。
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