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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、新型コロナ収束期待で反発

連載 2020-04-13


マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅 努
 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが4月2日の1キロ=138.30円をボトムに、150円台前半まで切り返す展開になった。新型コロナウイルスの感染被害拡大に伴うタイヤ需要環境の悪化から急落地合が続いていたが、下げ一服感が浮上し始めている。

 日本では4月7日に安倍首相が緊急事態宣言を行うなど、感染被害は広がりを見せている。一方、世界的にみると欧州や米国で新規感染者数の増加が鈍化し始めており、感染被害のピークが近づいているとの見方が、株価と同様に原油相場も下支えし始めている。

 上海ゴム先物相場も4月2日の1トン=9,360元をボトムに、1万元台を回復する展開になっている。3月18日以来の高値を更新しており、急落地合に一服感が浮上している。

 新型コロナウイルスが大量の感染者、死者を発生させている状況に変化はみられない。新車用タイヤ、買い替え用タイヤともに販売環境は正常化にはほど遠い状態にあり、自動車・同部品工場の稼働停止も続いている。ただ、欧州ではスペインやイタリアで新規感染者数が減少に転じている。米国でも最大の感染被害が報告されているニューヨーク州で、死者の増加傾向は続いているが、新規感染者数の増加は鈍化し始めている。まだ先行き不透明感は強いが、このまま新規感染者数が減少を続ければ、新型コロナウイルスは収束方向に向かうことになる。各国がロックダウンなど強制的な移動措置を講じていた効果が出始めているのではないかとの期待感が、ゴム相場を支援し始めている。

 今後は、こうした新型コロナウイルスの収束期待を更に高めていくことが可能なのか、失望に変わるのかが焦点になる。ただ、株式市場とは異なりコモディティ市場では、実需の回復までは時間が必要との見方が強く、全般的に「下げ止まり」と「反発」との間に大きな距離感が認められる。非鉄金属や原油相場などの戻りも鈍く、安値ボックス傾向が強くなっている。

 産地では、新型コロナウイルスによるサプライチェーンの混乱も警戒されているが、既に減産期が本番を迎えており、集荷量は低迷している。タイ中央ゴム市場では、USSに続いてRSSの集荷もほぼ止まっている。

 一方、4月9日時点の現物相場は、USSが前週比2.2%高の1キロ=37.35バーツ、RSSが同3.5%高の40.22バーツ。産地相場も強含みに推移しているが、これは供給不安の織り込みではなく、産地相場の反発に連動した動きである。

 産地でも、コスト割れや労働力不足が警戒される状況になっているが、専ら消費地相場主導の相場展開が続いている。

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