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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、高値更新後に急反落

連載 2019-03-11


マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅 努

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=209.50円まで上値を切り上げた後、200円台前半での保ち合いを経て190円台後半まで軟化する展開になった。TSRも176.80円まで上昇した後、160円台後半まで軟化している。

 米中通商協議の進展観測から投資家のリスク選好性が高まる中、3月入りしてからもゴム相場の上昇地合は維持された。RSSは昨年1月23日以来の高値を更新している。しかし、その後は依然として強い先行き不透明感を蒸し返す形で調整売りが先行し、週後半には200円台を割り込む不安定な値動きになった。

 上海ゴム先物相場も一時は1トン=1万2,960元まで上昇して年初来高値を更新したが、週後半には1万2,000元台前半まで軟化するなど、荒れた相場展開になっている。

 引き続き焦点になっているのは米中通商協議だが、一部メディアでは今月27日前後にも米中首脳会談が開催される可能性が報じられている。ただ、最終合意に至るのかは未だ確信が持てない状態にあり、マーケットでは悲観と楽観とが交錯している。上海株価は連日の高値更新となっているが、上海ゴム相場は高値更新後に利食い売りと押し目買いとが交錯している。こうした不安定な地合になる中、東京ゴム市場では短期筋の利食い売りが膨らみ、1週間で10円幅の乱高下が観測されている。

 リスクオン環境における一時的な調整局面に留まるのか、それともリスクオン環境に終止符が打たれるのか、株価や他コモディティ相場の動向が注目を集めている。

 ゴムの独自材料としては、タイ、インドネシア、マレーシアの3カ国が4-5日の会合で輸出規制を正式合意した。2月22日に最大30万トンの輸出規制を行うことで基本合意していたが、4月1日からの4カ月間で合計24万トンの輸出制限を行うことになる。

 事前のマーケットでは最近のゴム相場急伸を受けて市況介入を延長するのではないかとの観測もあったが、規模を若干抑制しながらも介入方針は維持された。しかも、4月は減産期のピークであり、生産国の価格押し上げに対する本気度が強く窺える状況にある。

 ただ、過去の輸出規制は十分な市況対策効果を発揮したとは言い難く、マーケットも市況対策への警戒感を織り込むような動きは特に観測されなかった。あくまでもゴム需給ではなく、リスク投資環境全体の地合を反映する上海ゴム相場の動向が注目されている。

 なお、タイ中央ゴム市場の現物相場は3月7日時点で、USSが前週比4.3%高の1キロ=47.58バーツ、RSSが同2.8%高の50.37バーツとなった。

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