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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、2019年も上値重い展開か

連載 2019-01-01


マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅 努

 2018年のTOCOM天然ゴム先物相場は、RSSが年間平均(12月20日時点)で1キロ=178.78円となり、17年の227.19円に対して48.41円(21.3%)の大幅安となった。

 年間高値は17年の366.70円に対して18年は216.30円であり、04年以来の低水準に留まっている。一方、安値は17年の178.80円に対して151.00円であり、こちらは16年以来の安値になる。大きく値崩れを起こしたというよりも、コアレンジが大きく切り下がった1年間だったと総括できる。

 マクロな視点では、11年2月の535.70円をピークとしたゴム相場高騰局面の反動が続いている。その当時の価格高騰は東南アジアでゴム農地面積の拡大を促がしたが、それから7年が経過する中、樹木の成長に伴い本格的なタッピング(樹液の採取)が可能な時期を迎えている。しかも18年は年間を通じて良好な気象環境に恵まれた結果、強力な増産プレッシャーが供給サイドからゴム相場の上値を圧迫した。

 一方、需要サイドは最大消費国である中国経済の減速が、ゴムに限らず工業用素材市況全体を下押しした。中国の景気減速はある程度まで予想されていたが、米中貿易戦争の勃発によって、想定以上の下振れ圧力に直面した影響が大きかった。

 新車販売市場に限定しても、中国、インドなどの主要新興国市場が減速し、特に中国では18年通期の新車販売台数が前年実績を下回った模様だ。

 在庫も余剰状態を解消できず、上海期貨交易所の認証在庫などはむしろ上振れしている。長期ダウントレンドを形成しながらも、需給緩和状態を是正するエネルギーは十分に働いていないことが窺える。

 19年も引き続き強力な増産圧力への対応を求められることになる。ゴム相場は低迷しているものの、政策的または経済的な要因での生産抑制の動きは限定されており、18年の増産圧力が19年にもそのまま持ち越される可能性が高い。

 一方、需要サイドは世界経済の減速によって大幅な伸びを想定しづらい状況が続く見通し。米中通商協議の進展状況にも依存するが、不確実性の強さから需要環境の劇的な改善を想定することは難しい。

 年前半は減産期とあって下げづらい時間帯になるが、その間に政策調整、農家の生産放棄、または需要環境の劇的な改善などの需給リバランスがみられなければ、18年と同様に19年も増産期となる下期に上値の重い展開を強いられるリスクを抱える。生産コストの視点から大幅な値崩れは求められないが、このまま「強力な増産」と「需要の抑制」という18年の基本構図が維持されると、下値は130-140円水準まで切り下がる可能性を抱えている。

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