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連載「つたえること・つたわるもの」(51)

新卒一括採用見直し、就活ルール廃止、即戦力重視の落とし穴。

連載 2018-10-23

出版ジャーナリスト 原山建郎

 先日、大学3年生を対象とした面接対策合宿(土日の二日間)の講師を務めた。受講した学生100名、私たち講師陣は11名、受講生と指導の講師を1日目と2日目で入れ替えて、模擬面接が行われた。

 グループディスカッション(集団討論)や集団面接、個人面接では、必ず、その年の時事問題とその理解度をみるテーマが出されるが、ことしは多くの講師から「就活ルール廃止」についての質問が出た。

 就活ルールとは、経団連に加盟する大企業が自主的に守る「採用活動に関する」ルールのことで、企業説明会や採用面接の解禁日のほか、内定日を定めている。現在のルールでは、説明会を大学三年の3月、面接を6月に解禁して内定は10月としているが、これを2年後の2020年春から廃止するという。

 これは9月初め、経団連の中西宏明会長が個人的な見解として述べた「経団連が採用の日程に関して采配すること自体に極めて違和感がある。新卒の学生を企業が一括採用するだけではなく、自由に採用できるようにすべきだと考える」に端を発している。その後、10月9日の会長・副会長会議で「2021年春入社以降の新卒者(※現在の2年生以降)を対象とする就職・採用活動のルールを策定しない」ことが正式に決定された。これで1953年に始まった「就職協定」(企業と大学・短大の間で結ばれた紳士協定。1996年に廃止された)以降、20年余り続いた新卒大学生の就職・採用活動の目安が廃止されることになる。

 日ごろ新聞を読んでいる学生は、その中身をある程度理解しているようだが、スマホでニュースを見ている学生からは「そのニュースは見たことはあるが、よくわからない」という答えが返ってきた。また、就活ルール廃止の対象が自分たち3年生ではなく、現在の大学2年生以降であることから、「大学入学時からすぐに、就職活動をしなければならない後輩の学生たちがかわいそうだ」という声も聞かれた。

 つまり、ほとんどの学生が就活ルール廃止のニュースから読み取った(※主に伝わった)ものは、現在の2年生以降は、企業説明会や採用面接の解禁日、内定日の目安が廃止されるという、(学生の)就職・(企業の)採用活動のスケジュール廃止(変更)に限定されていたように思えてならない。

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