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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、上海高一服で軟化傾向に

連載 2018-09-03


マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅 努

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、1キロ=170円台前半まで軟化した。8月前半の160円台後半をコアとした取引に対して8月22日の180.80円まで急伸したが、その後は上げ幅を削る展開になっている。

 8月21-22日にかけて上海ゴム相場が突然に急伸し、1トン=1万1,000元台中盤から一時1万2,855元まで急伸した。しかし、その後は1万2,000元台前半から中盤まで軟化しており、上海ゴム相場の急伸地合に持続力がなかったことが、東京ゴム相場の上値も圧迫している。

 上海ゴム相場の急伸地合に関しては、マーケットでも明確なコンセンサスは形成できていない。インドの洪水被害、東南アジアの大型地震などの供給サイドの要因を指摘する声も根強い。一方で、供給障害が原因であれば産地主導で上昇するはずであり、上海ゴム相場主導の上昇は一時的な投機に過ぎないとの見方もある。

 8月21-22日の急伸後の値動きを見る限りは、ファンダメンタルズ要因に基づく上昇圧力かは強い疑問を有さざるを得ないが、暫くは不安定化する上海ゴム相場の動向を眺めながらの投機色の強い相場展開が続く可能性が高い状況になっている。

 タイ中央ゴム市場の集荷環境には特に目立った変動はみられない。比較的安定した降水量が確保されており、生産期に特有の強力な供給プレッシャーが確認されている。現物相場は、8月23日時点でUSSが前週比0.2%安の1キロ=43.12バーツ、RSSが同2.0%安の44.43バーツとなっている。上海ゴム相場の急伸地合が維持できない中、産地相場はじり安の展開になっている。特にRSSの値下り圧力が強くなっており、このような点からも洪水や地震の影響が広がりを見せているのか疑問視される。

 こうした中、産地ではゴム相場の低迷に不満の声も根強い。タイ政府は、補助金交付による他農産物への作替えを促す市況対策を導入しているが、十分な効果が得られているとは言い難い。タイ南部の農家は9月2日にも政府に更なる市況対策を求めるための集会を予定しているが、財政出動を伴う大規模な市況対策導入に関しては、タイに限らず東南アジア政府は慎重姿勢を見せている。

 国際原油相場は強含みに推移しているが、ゴム相場に対する影響は限定されている。為替市場でマイルドな円安圧力が発生していることは円建ての東京ゴム相場に対して支援材料になるが、引き続きマーケットの関心は上海ゴム相場の動向に集中している。9月前半にかけて、投機による一時的な上昇圧力との評価を確立することできるか否かが問われる局面が続こう。

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