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第4四半期にスプレッドは良化したが微減益に

日本ゼオン17年3月期、エラストマー素材は減収減益

原材料 2017-05-08

 日本ゼオンが4月28日に発表した17年3月期業績は、売上高が2,876億2,400万円で前期比2.7%減、営業利益が307億6,700万円で同3.1%増、経常利益が318億500万円で同1.1%減、当期純利益が231億5,200万円で同28.1%増となった。市況や為替の影響を受けたものの、当期純利益は過去最高を記録した。

 エラストマー素材事業は、売上高が1,662億円で同7%減、営業利益が206億円で同1%減。第4四半期にスプレッドが良化したものの、わずかに減益となった。

 そのうちゴムは、販売数量が30万8,000トンで同4%減、売上高が1,125億円で同5%減。販売数量は汎用ゴムが2%減(国内9%減、海外4%増)、特殊ゴムが6%減(国内5%増、海外11%減)だった。汎用ゴムの国内は、タイヤメーカーの稼働率低下により減少、一方の海外は第4四半期に市況が回復したことで前期を上回った。

 ラテックスは販売数量が12万1,000トンで同2%減、売上高が178億円で同7%減。化成品は販売数量が12万9,000トンで同3%増、売上高が329億円で同14%減。化成品は熱可塑性エラストマーSISの生産能力増強により販売数量が増加したものの、SIS、石油樹脂の海外市況の軟化で減収だった。

 18年3月期業績は、売上高が2,900億円で前期比0.8%増、営業利益が290億円で同5.7%減、経常利益が300億円で同5.7%減、当期純利益が200億円で同13.6%減を見込む。原料価格が下落したことで、「高い原料を使用して生産した合成ゴムの在庫が10-20億円ほど減益方向に働く」(日本ゼオン)。エラストマー素材事業は売上高1,680億円で同1%増、営業利益197億円で同4%減、販売量は増加を見込んでいる。

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