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電池の急速充電とエネルギー密度を向上

日本ゼオン、台湾企業と提携しSWCNT導電性ペーストを製造

原材料 2024-04-19

 日本ゼオンは、台湾の電池用先端ナノ材料メーカーであるSiATと戦略的提携を行う。

 同提携は、単層カーボンナノチューブ(SWCNT)導電ペーストに関するもの。同製品は、リチウムイオン電池の正極/負極配合における導電助剤としてカーボンブラックの代替または併用が可能となっており、透明フィルムやEMIシールドにも幅広く応用することができる。

 日本ゼオンは、高アスペクト比、高純度、高比表面積などのユニークな特性を示すSWCNTを製造する数少ないメーカーの1社で、2015年から量産を行っている。

 CNTは、水性媒体および非水性媒体中で束になりやすく、分散性に欠ける傾向があり、ナノ材料の分散はCNT材料の使用において課題となっていた。SiATは、CNT導電性ペーストの製造にナノ材料分散液を応用する独自の技術ノウハウと生産能力を有している。

 両社によるパートナーシップから製造されるSWCNT導電性ペースト製品は、優れた導電性を有していることから、電池の正極/負極の配合では、カーボンブラック導電剤と比較してSWCNT導電ペーストの添加量はわずか20分の1で済み、電池寿命の向上と充電時間の短縮が可能になる。また、配合における活物質の割合が増えるため、電池のエネルギー密度が向上する。

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