海外現地法人は順調な伸び
【インタビュー】加藤産商社長加藤達男氏、グループ合算売上高500億円回復が目標
原材料 2017-05-08
「今期はグループ合算の売上高で500億円への回復が目標」と語る加藤産商の加藤達男社長。海外での販売が好調に推移しており、3年ぶりの500億円が射程圏に入ってきた。
■17年9月期の上期(16年10月-17年3月)業績
単体業績は、売上高が約5%増収した。昨年度の上期が良くなかったという面もあるが、今期は自動車部品メーカー向けに販売している商材が、自動車メーカーの好調な販売により伸びた。
国内の子会社は、カーボンマスターバッチ(CMB)を製造する埼光ゴムは、黒物の練りが増えてきており、中でもフッ素ゴム練りが伸びている。粉末硫黄を製造する鶴見化学工業も順調だ。
■上期の海外現地法人の状況
海外現地法人の売上高は為替の要因もあるが、前年同期比で18%増と伸びている。売り上げ規模は中国が一番大きく、次がタイ、インドネシア、マレーシア、ベトナムが含まれる東南アジア、そして米国、メキシコが含まれる北米と続く。
中国には、商社部門とCMB製造部門の現地法人があり、いずれも順調だ。CMBはフル生産が続いており、今後は生産能力をどうするのかが課題となる。
東南アジアでは、タイが堅調に推移している。自動車関連の需要が戻ってきており、フッ素ゴムやエピクロルヒドリンゴム、アクリルゴムといった特殊ゴムの販売が伸びている。タイには、インドなど周辺国で生産されている原材料も紹介しているが、最近はそうした海外同士の取引も増えてきた。
インドネシアは、人員を増やした。昨年来状況は良くなってきており、今後伸ばしたいと考えている。ベトナムは悪くない状況だ。最近では、中国からベトナムに生産拠点を移す動きが加速しており、今後に期待している。
米国は2年ほど前から好調が持続している。最近米国には、中国製のゴム薬品、カーボンブラック等が入りづらくなっており、代替品を探して欲しいと依頼されることもある。一方のメキシコは、新米国大統領の関係もあり、最近のトレンドはネガティブに傾いているが、これは時が解決すると思っている。
■17年9月期の業績見通し
今期はここまで予算通りにきており、グループ合算の売上高で500億円への回復が目標に入ってきた。直近で500億円を超えたのは14年9月期の513億円で、回復すれば3年ぶりとなる。海外での売り上げが増えてきているので、為替次第の部分もあるが、1ドル110円ほどで推移すれば、500億円への回復は可能ではないかとみている。利益については、単体の経常利益で6億円を目標にしている。
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