ゴム関連企業のホームページやその活用例を紹介

　ホームページは、誰でも気軽に閲覧できることで、企業にとっては閲覧者に対し情報を発信・提供する場となっている。内容は会社概要、製品紹介が主体となっているものの、各社は様々な工夫を凝らしている。特に大手企業を中心に、環境への取り組みなどを紹介し社会への貢献姿勢をPRしたり、資本家・投資家向けの決算内容開示、社員採用情報など多種多様な情報を発信している。またホームページの活用により、新規顧客の開拓や製品販売などに取り組み成功している企業も増えている。新型コロナウイルス感染症の拡大以降は、対面での営業活動が困難になったため、ホームページをリニューアルして営業ツールとしてさらに強化する動きも顕著になっている。今回の特集では、主な企業のホームページやその活用例を紹介する。

十川ゴム、100周年に合わせ全面的にリニューアル

　十川ゴムは、2025年5月に創業100周年を迎える。それに合わせ、ホームページ（HP）を全面的にリニューアルし、5月25日の創業記念日に公開した。
　「前回（2018年）のリニューアルから5年が経過しており、お客様の目に触れる機会が一番多いHPを一新することが、100周年に向けて、新たな挑戦への気持ちを表す最適な方法と考え2023年秋頃からリニューアルに着手した」（十川ゴム）

　今回のリニューアルでは、より導線をわかりやすくし、目的のページまでスムーズに閲覧できるよう、全面的にデザインやページ構成を一新した。また「スマートフォンなどのモバイル対応を重視し、ボタンもシンプルに大きくした」（同）。

　リニューアルコンテンツの中でも特に見応えがあるのが「バーチャル工場見学」だ。2013年から掲載しているが、今回は360度カメラで工場内がパノラマのように一望できるよう工夫した。「原料～生地」「ゴムホース」「ゴムシート」「金型成形品」の4つにパート分けし、製造工程を画像と動画、説明文とでわかりやすく、詳しく解説している。パソコンやスマートフォンの画面を通して「実際に工場内にいるような感覚で見学していただける」（同）という完成度の高さだ。

　また、7月1日に追加リニューアルで、新コンテンツ「ゴムの豆知識」を公開した。ゴム材料の種類や性質、ゴム製品の基礎知識について、カテゴリー別に紹介している。「今後も、閲覧者のお役に立てるゴムの情報を定期的に発信していく」（同）という。

　そして「これらのコンテンツを活用して、お客様の社員研修などにも役立ててもらえれば幸いだ」と考えている。
　動画を増やしたのも今回のリニューアルの特色で、トップビジュアルには、同社の研究開発をわかりやすく解説している。また、HP内のすべての動画を閲覧できる「動画ライブラリー」も新たに追加し利便性を高めた。今回のリニューアルと同時にYouTube公式チャンネルも開設し、HP内の動画を配信している。

　リクルート面でのPR効果も意識し、採用サイトの充実にも力を入れた。工業用品を製造する堅いイメージをなくすため、デザインを明るく柔和なイメージにまとめた。社員の仕事紹介ページや社長メッセージ、経営理念等についても、就活生に自社のことをわかりやすく伝えることに注力した。

　「採用サイトのトップメッセージにある“RUBBERを愛する人（LOVER）、求む。”の通り、ゴムについて少しでも興味を持つ人材の確保に繋げたい」（同）と考えている。また、新卒採用だけでなく、工場での中途採用情報も掲載し、情報発信を行っている。

　リニューアルを機に、各ページのアクセス数の増減を分析し、その結果をもとに、内容をさらに充実・改善していく方針だ。

　ちなみに、