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合成ゴムでは新プラントも検討

日本ゼオン、新中計を発表

原材料 2017-05-08

新中計を発表する田中社長

 
 日本ゼオンは4月28日、本社(東京都千代田区)で記者会見を開き、2017年度から2020年度までの4カ年に亘る新中期経営計画「SZ-20 PhaseⅢ」を発表した。深化と探索、ソリューションや新事業創出などにより、最終年度である2020年度の連結売上高5,000億円以上を目指す。

 新中計では、①オールゼオンの強みを組み合わせる『深化』と壁を越えて外部と連携する『探索』によって、世界中にソリューションを提供し、社会に貢献する②地球環境、スマート化、健康と生活といった『重点開発領域』での新事業創出、新製品開発を加速する―ことに加え、『たいまつ活動』や経営と従業員との対話、提案を支援し促進する仕組み、ダイバーシティ推進といった風土育成に注力する。新事業創出、新製品開発の加速は、「私が中心となって育てていく。かなり力を入れていく」(田中公章社長)。最終年度の連結売上高は5,000億円以上が目標。エラストマー素材事業、高機能材料事業で2,500億円ずつを見込んでいる。

 エラストマー素材事業は、①成長市場へのグローバルな対応とコスト競争力強化によって、強みを発揮できる事業をさらに深化させること②蓄積してきた市場からの信頼と顧客との関係を活かして、新たな可能性を探索し、成長に繋げることを戦略に掲げる。

 住友化学と合弁会社「ZSエラストマー」を設立した溶液重合スチレンブタジエンゴム(SSBR)は、日本ゼオン、住友化学の両社のポリマー変性技術や生産技術を組み合わせることで、世界のリーディングポジションを目指す。「日本ゼオン、住友化学は製造技術、作り込み技術など全てで同じ技術を持っているわけではない。これら技術をすり合わせていくことで、より良い製品を生産する。品質重視により競争力を上げていく」(今井廣史取締役常務執行役員)考えだ。また、ZSエラストマーの持つ年産能力17万3,000トン(日本ゼオン12万5,000トン、住友化学4万8,000トン)についても、「足元で余力のある生産能力を今後いかに埋めていくか。いずれにしても、2020-2021年には生産能力一杯になるとみているので、新たなプラント等は今から考えていかないといけない。検討を進めていく」(平川宏之取締役常務執行役員)としている。

 特殊ゴムでは、技術サービスを強化するとして、シンガポールにATSL(アジア技術サポートラボラトリー)を開設。7月から営業を開始する。世界では、内燃機関を搭載する車が2040年頃まで拡大すると見込まれており、シンガポールに技術拠点を設けることで、内燃機関搭載車の成長が見込まれるアセアン、インドといった領域をカバーしていく。「日本、ドイツ、中国の技術拠点に次ぐATSLの設立により、アジア、インド、中国といった成長市場での存在を高めていく。成長市場をカバーする体制が整うことになる」(同)。併せて生産能力の拡大も視野に入れる。「売上高を伸ばしていく、需要の拡大を考えると、生産能力を増やしていかなければならない。アジアに特殊ゴムのプラントを建設する検討をしている」(同)。

 ラテックス事業では、成長する作業用手袋市場で新製品投入により、販売の拡大を目指す。今後、世界の作業用手袋市場は年率5-7%の成長が見込まれているが、同社では市場を大きく上回る年率24%の拡大を見込む。

 熱可塑性エラストマーSISや石油樹脂では、差別化製品の投入により、事業規模拡大を目指す。SISは、非対称SISのさらなる市場展開を図る。現在、エラスティックフィルム、粘着ラベルなどに展開しているが、「強度と柔らかさの両面を持ち合わせており、次はフレキソに展開していく」(田中社長)方針。

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