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基礎研究・開発に日々取り組む

【ものづくり力】三和化工、自社開発品の販売が年々拡大

工業用品 2017-09-05

三和ミュージアム(展示室)


 同社が合成ゴム発泡に取り組み始めたのは20年ほど前。後発メーカーなので、他社との違いを出すため、標準規格であった厚さ30ミリではなく、50ミリの製品を開発生産して市場開拓をはかった。「建設工事緩衝材などでは100ミリなど厚さが要求される場合が多い。そのとき30ミリより50ミリの方が効率的なので、後発の当社でも需要開拓を進めることができた。他社と違う提案をしたことが奏功した」(同)という。

 同社の強みは、小ロット多品種対応ができること。「大ロット少品種では、大手企業に太刀打ちできない。大手ができない小ロット多品種こそが当社の強みと言える」(同)。

 同社の製品はさまざまな用途に展開されている。最も多いのが包装・緩衝材用途で、自動車部品や精密機器輸送の緩衝材として多く使用されている。そのほか土木・建設資材、車両部品、工業用品、防舷材などの海洋製品、介護・医療、スポーツなど多岐にわたる。

 本社には、基礎研究・開発を担うFDC(フォームデザインセンター)を設置し、10人の技術開発担当者が日々研究に取り組んでいる。「付加価値の高いモノづくりのために、今後さらに研究開発の人員を増やしていきたい」(同)という。

 三和ミュージアムという展示室も開設している。ここには同社の素材を使用して、さまざま企業が開発した製品の展示や、開発事例が紹介されている。またSPMF(サンワ・プレス・モールド・フォーム)と名付けられた、自社開発製品も展示されている。各企業との共同開発製品も展示紹介されており、この展示室を見学すれば、三和化工のモノづくりに対する考えや製品概要が理解できる。

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