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【ものづくり力】三和化工、自社開発品の販売が年々拡大

工業用品 2017-09-05

三和ミュージアム(展示室)


 三和化工(本社・京都、吉田典生社長)はポリエチレンと合成ゴムの発泡素材・発泡製品の専業メーカー。1965年、吉田典生社長の父親である吉田巌会長が創業した。巌会長は同社創業の10年前に発泡剤製造の永和化成工業を創業していたが、当時新規素材として日本に登場したポリエチレン樹脂に注目し、「これを発泡することはできないか」と考え、その発泡技術を開発したことから、発泡ポリエチレンの専業メーカーとして同社を創業した。永和化成工業は、現在は三菱ガスの子会社になっている。

 ちなみに「三和化工」という社名には、経営・資本・労働という3つの基本をバランス良く調和させるという願いが込められている。

 同社の製品構成はポリエチレンフォームが85%、合成ゴムスポンジが15%。ポリエチレンは素材として加工メーカーに販売するだけでなく、完成品も製造販売している。その比率はポリエチレンフォームの10-15%を占め、年々売上高が拡大している。

 「素材販売だけでは、ユーザーのニーズを直接聞くことができない。完成品なら直接ニーズを聞くことできる。よりユーザーに近いという点で、完成品の開発・製造には今後も力を入れていきたい」(吉田典生社長)という。

 同社開発製品の成功例の一つとして上げられるのがビデオカメラの肩パッド。「従来のウレタン製肩パッドと違い、当社製品は軽くてソフトな点が好評で、家電メーカー各社に採用された。現在では、ビデオカメラの肩パッドについては、すべて当社製品が独占している」(同)という。

 ポリエチレンフォームの製造方法は、連続長尺発泡とブロック状での発泡方法があるが、同社はブロック状で生産している。連続長尺に比べ厚物ができるという利点がある。ブロックタイプの生産では、国内最大のメーカーだ。

 同社では独立気泡タイプと連続気泡タイプを生産している。独立気泡タイプは水に浮く、熱を遮断する、クッション性に優れるなどの特徴を持つ。それに対し連続気泡タイプは、水を吸収し、音を吸収し、熱を遮断する。顧客には、それぞれの特性に合わせて提案している。

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