2026年は量産ライン「導入」へ、本格事業化に向けた弾みの年に
ブリヂストン ソフトロボティクス ベンチャーズ、重量物向けソフトロボットハンド「TETOTE ストロングモデル」を初披露
工業用品 New! 2026-01-27
ブリヂストンの社内ベンチャーであるソフトロボティクス ベンチャーズは1月21~23日、東京ビッグサイトで開催された「ファクトリーイノベーションWeek 2026」内の第10回「ロボデックス」に出展。
ソフトロボットハンド「TETOTE」シリーズ全4種のフルラインアップを披露した。

ブース
なかでも、重量物対応の新製品「TETOTE ストロングモデル」を初披露し、製造現場で課題となってきた重量ワーク(加工物)の搬送の自動化を前面に打ち出した。
ブース特別講演に登壇した音山哲一CEOは、「人手不足が深刻化する中で、自動化の必要性はますます高まっている。当社は、人とロボットが共生する社会の実現を目指し活動している」と述べた。

音山CEO
フィジカルAI時代における課題は人の動きを再現するハードの実現
一方で、知能と物理動作が融合する“フィジカルAI”の時代において、「生成AIなどで知能側はどんどん進化しているが、最後に障壁となるのが、人の器用な動きを再現するハードの実現。
そこを担うのが、当社のソフトロボットハンドだ」と語り、人と協働できる“やわらかい”ハンドの価値を訴えた。
最大の目玉は6キロ・12キロ対応のストロングモデル
今回の展示における最大の目玉は、「TETOTE ストロングモデル-6」と「同-12」。
従来の4本指から、より強力な6本指構成とし、可搬重量は約3キロから、それぞれ約6キロ、12キロクラスに対応した。
「元々、12キロという重量帯のニーズが非常に大きかった」と音山CEOは開発背景を語る。
また、指本数の増加は、耐荷重性能だけでなく、把持時の安定性向上にも寄与している。

6本指の「TETOTE ストロングモデル」
「重さや大きさに起因する負担をロボットに任せたい。現在の製造現場では、腰の高さほどの台に重い部品を載せる作業や、反転作業などを人が担っており、大きな負担となっている。
また、自動車のドア内装パネルのセット作業は、現状、複数人が関与するケースも多い。
こうした工程を協働ロボットで分担することで、人にはより付加価値の高い作業を担ってもらいたい」(音山CEO)
ブースでは、ハンドを活用したピッキング自動化など、製造工程を想定したデモを実施。
「TETOTE ストロングモデル-6」では、従来のハンドでは搬送が困難だった薄く大きな自動車ドア内装部品を、方向を持ち替えながら器用に搬送し、人が行う取付作業へ引き渡すまでの一連の動きを再現した。

「ストロングモデル-6」によるデモ
「同-12」では、10キロを超える自動車エンジン関連ワークを安定把持し、反転作業や加工機セットを想定したガイドピンへの挿入を含む搬送・位置決めのデモを披露。

「ストロングモデル-12」によるデモ
従来の金属グリッパーでは、ガイドピンへの接触による反力でロボットが停止するケースも起こり得るのに対し、「空気とゴムで動くソフトロボットハンドは、指そのものがクッションとなる。力を吸収しながら、安定してワークを置ける」と説明した。
また、ハンドにはリストカメラによる認識機能が付与されており、「多少ラフにワークを置いても、毎回同じ場所を把持できる」(同)とし、実際の製造ラインでの使い勝手を意識した設計であることを強調した。
ニトリル+繊維補強のカバーで耐久性を強化
ハンドのカバー材も進化した。
音山CEOは「従来モデルに使用している白いカバーはシリコンゴム製だが、金属部品を扱うと切れてしまうことがあった」とした上で、「現場で把持するワークに応じて、強度が必要な場合は黒いニトリルゴムカバーを採用している」と説明。
さらに重量物向けには、「ニトリルに繊維を編み込んだブルーのカバーを採用しており、現状で最も耐久性が高い。油分のある部品でも滑りにくく、繊維の凹凸で油分を逃がし、ゴムと金属が直接接触する構造としている」と語った。
採用から導入へ、2026年は実績創出の年
TETOTEはスタンダード、スリム、ストロングモデル(2タイプ)の計4ラインアップとなった。

「TETOTE」フルラインアップ。左からスタンダード、スリム、ストロングモデル(2タイプ)
「現在は自動車や自動車部品メーカー、半導体製造を含むエレクトロニクスメーカーからの引き合いも増えている。まずはこのラインアップで戦っていく」(同)
同社では、TETOTEの実績を「採用」と「導入」に分けて捉えている。
音山CEOは、既に数十件の「採用」がある一方で、「量産ラインに入って初めて“導入”と言える。2026年は導入実績を2~3件作る年にしたい」とし、2026年を2027年以降の本格事業化に向けた助走の年と位置付けた。
また、「ブリヂストンのハンドがあれば自動化が進む、という選択肢として当たり前に想起される存在になりたい」と意気込みを示し、展示会などを通じた露出を一層強化する考えを示した。
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