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ファッションブランド「CRAFSTO」とのコラボバッグを販売開始

ソフトロボットハンド「TETOTE」が持ち手に。ブリヂストン ソフトロボティクス ベンチャーズ、ゴム人工筋肉をアップサイクル

工業用品 2024-10-28

 ブリヂストンの社内ベンチャーであるソフトロボティクス ベンチャーズと、ユニセックスファッションブランド「CRAFSTO(クラフスト)」は、両社がコラボレーションしたトライアングルバッグを発表した。

 同バッグの持ち手には、ソフトロボティクス ベンチャーズのソフトロボットハンド「TETOTE(てとて)」のゴム人工筋肉(ラバーアクチュエーター)がアップサイクルされている。ゴム人工筋肉のアップサイクルは、今回が初となる。

CRAFSTO×ブリヂストンコラボ トライアングルバッグとTETOTE(右)



 同社がコラボレーションした「CRAFSTO」は、ヘリテッジ(本社・東京都渋谷区、代表・久保順也)が運営するファッションブランドだ。ジェンダーを問わず楽しむことができるレザー財布、バッグ、ウェアを展開。素材や加工など制作のプロセスにおいて、持続可能な、“未来を見据えたものづくり”を大切にしている。

 両社は同製品に関するメディアデイを、10月23日にCRAFSTO本店(東京都台東区)で開催した。同イベントには音山哲一ソフトロボティクスベンチャーズCEOと久保順也ヘリテッジCEOが登壇。コラボバッグを中心に、「CRAFSTO」のサステナブルな取り組みを紹介した。またソフトロボティクス ベンチャーズによるTETOTEの実機とラバーアクチュエーターも展示された。

音山哲一氏(右)と久保順也氏



 今回のコラボバッグでは、「TETOTE」の試作段階で発生したゴム人工筋肉の廃材が、バッグの持ち手の骨組みとして活用されている。ゴムチューブを囲む高強度繊維のスリーブ部分に、職人が一つひとつツイードテープを編み込み、遊び心溢れたデザインに仕上げた。ゴム人工筋肉の独特な質感も活かし、何度も握りたくなる心地よい不思議な感触となった。金具部分も無駄なく再活用している。

ゴム人工筋肉をアップサイクルした持ち手



 「『CRAFSTO』では、アップサイクルにおいて必要以上にコストを掛けることを良しとしていない。本当に付加価値に関わるかと問い続けること、またユーザーが購入しやすい価格で届けるためにも、なるべく素材をそのまま活かしたデザインにすることを大切にしている」(久保順也ヘリテッジCEO)

 バッグ本体には、CORN BIO HAM LEATHER(コーンバイオハムレザー)を使用。基布はリサイクルポリエステル、ポリウレタン樹脂の一部にとうもろこし由来のバイオ原料を使用し、DMFフリーで製造したサステナブルなフェイクレザーだ。DMF(ジメチルホルムアミド)は、ポリウレタン樹脂主体の溶剤。人工皮革や合成皮革の表面感を出すためコーティング剤として使用されるが、発がん性があり健康への影響が懸念されている。

 バッグ本体のカラー展開は、ブラックとダークブラウンの2色。ブラックには、ブルー系の持ち手。ダークブラウンには、オレンジ系の持ち手がつく。持ち手と本体を合わせ、サステナブルなバッグが完成した。

CRAFSTO×ブリヂストンコラボ トライアングルバッグ


 今回のコラボについて、音山CEOは「ゴム人工筋肉そのものを活かしたアップサイクルで、新しい価値を創出できた。ソフトロボティクス ベンチャーズとしてはゴム人工筋肉の出口戦略の一つが生まれたことを嬉しく思う。当社はソフトロボットを身近な存在として世に浸透させたい想いがある。ゴム人工筋肉がバッグの持ち手に生まれ変わるというストーリーが、ソフトロボティクスの新たな可能性を世に広げる一助になると考えている」と述べた。

 コラボバッグは2024年10月から「CRAFSTO」の店頭とECサイトにて、数量限定で販売を開始している。
 

CRAFSTO×ブリヂストンコラボ トライアングルバッグ製品情報

 ◇サイズ=外寸:横幅24.5×縦幅22.5×最大厚み1.5cm◇重さ=約213グラム◇素材=外装:コーンレザー、内装:再生ペットボトル繊維生地ECOPET◇色展開=2色(ブラック、ダークブラウン)◇価格=税込2万4,800円

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