測定方法で日本提案規格化へ
樹脂ベルトのISO化進む
工業用品 2016-08-01
日本ベルト工業会のISO/TC41ベルト国内審議委員会が取り組んでいる樹脂ベルト関連のISO規格化が順調に進捗している。
樹脂ベルトのISO規格は2005年に欧州標準化委員会(CEN)の規格をベースに規格化されているが、その内容は「意外に大雑把で、不備な点も散見される」(田中滋泰日本ベルト工業会事務局長)という。
樹脂ベルトについても「ライトコンベヤベルト」と表記されており、構成素材が樹脂素材だけでなく合成ゴムが含まれるなど、その基準や範囲が曖昧だ。
日本では2008年に樹脂ベルトのJIS化に取り組み始め、当初は「樹脂ベルト」と表記していたが、ISOに準じて「ライトコンベヤベルト」に表記を変更している。しかし構成素材に関しては、ISO規格に準拠したが、最大引張強さを1000N/ミリ以下に限定し、ライトコンベヤベルトとゴムコンベヤベルトとの違いを明確化している。
ISO規格ではライトコンベヤベルトの試験方法として、摩擦係数や電気抵抗、寸法など7つが規格化されている。しかしその測定方法には、多少修正が必要な点があるという。
そこで日本ベルト工業会では、「摩擦係数の測定方法」をJIS化するにあたり、従来のISO規格に修正を加えて改正提案した。その提案が日本規格協会と経済産業省の承認を経てJIS規格として発行された後、改めて日本主導による新規提案としてISOに提出され、2013年に承認を得てISO規格化されている。
また現在ISO規格化を進めているのが「体積電気抵抗の求め方」について。この測定方法に関しては、8月22日にJIS規格として公示される予定で、その後、日本による改正提案として提出され、各審議段階を経てISO規格化される見通しだ。
「ISO/TC41では近年、日本が主導する新規提案が規格化されることが増えている。日本がSC3(コンベヤベルト)の国際幹事に就任して以来、TC41の中で日本の立場が強まり日本提案が通りやすくなっている」(田中事務局長)という。
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