ショージが「油圧成型機のメンテナンスの重要性~技術継承のために~」テーマに講演
葛飾ゴム工業会、2024年度第1回勉強会を開催
工業用品 2024-04-09
葛飾ゴム工業会(牧野秀徳会長=太陽ゴム工業社長)は3月29日、テクノプラザかつしか(東京都葛飾区)で、「2024年度第1回勉強会/技術継承セミナー」を24人が出席し開催した。
冒頭牧野会長が「本年度は、日頃の業務により一層マッチした、タイムリーな話題主体に勉強会を開催したいと考えている。そこで本日は、日頃使用している機械のメンテナンスに関しての講演を企画したので、是非とも参考にして欲しい」とあいさつした。
今回は、昨年夏に葛飾ゴム工業会に入会した、ゴム・プラスチック成型機メーカー・ショージの山下琴代取締役営業部長兼技術部長を講師に、「油圧成型機のメンテナンスの重要性~技術継承のために~」に関して講演が行われた。
ショージは、1943年の創業当初、硬質塩化ビニル玩具の成型機を開発していたが、現在は国産の油圧真空成型機やゴム・プラスチック成型機、特殊成型機、加熱冷却器、切断機などを開発し、会員企業にも多く使用されている。
山下取締役は、山下(庄司)義廣先代社長の次女で、幼稚園教諭として数年勤務した後、ショージに入社したという異色の経歴を有している。現在は自社製品の営業に加えて、他社製も含めた機械のメンテナンス業務にも携わっている。
講演ではスライドや写真を活用し、機械の故障やメンテナンス方法に関して詳しく説明した。山下取締役によると、機械が故障する大きな要因として「油圧系統」と「電気系統」の2つがあげられる。その修理事例1としてメインパッキン交換、修理事例2として断熱版交換・熱盤研磨、修理事例3として配管油漏れ、修理事例4として4本柱折れ修理――などを採り上げ、メンテナンスや修理方法などについて説明した。
これら機械トラブルを防止するポイントとして、「保守点検の実施とメンテナンス計画」が重要と強調した。そのメンテナンス事例として、会員企業のタグチゴムでの実例紹介もあった。タグチゴムの田口郁男常務は、製品製造に関しては品質維持など高い意識を持っていたが、機械のメンテナンスには余り関心を持っていなかった。山下取締役にこの点を指摘されて以降、「メンテナンスの定期的実施により、トラブル発生防止が可能になった」と説明した。
メンテナンスに加えて最近は、機械の撤去や移設も増えているという。さらに分解機製作や熱盤製作、ヒーター交換、ホース交換、断熱版交換、プログラム交換などの要請も増加傾向にあると説明した。
ショージでは、750トン前後分解機付成型機、320トン自動作業台付成型機、多段手動成型機など顧客仕様に的確に合致した様々な機種の製造販売のほか、中古成型機のリニューアルも行っている。最近では、人員不足を背景に、100トン成型機とロボットを連携させ24時間製造を可能としたロボット連結システムも増加傾向にあるという。
講演の後に、質疑応答が行われた。出席者からは海外製成型機のメンテナンスは可能か、海外製パッキンや刃物の交換方法など、現場におけるメンテナンス方法についての質問が数多く寄せられた。
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