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10 月17日から 全国発売開始

相模ゴム工業、「サガミオリジナル 0.01」に L サイズを追加

工業用品 2022-10-18

 相模ゴム工業は主力商品のコンドーム「サガミオリジナル」から、新たなラインアップとして「サガミオリジナル0.01(ゼロゼロワン) Lサイズ」を10月17日から発売している。希望小売価格は2,640円(10個入り:税込み)。

 サガミオリジナル0.01は、独自技術によりポリウレタン素材を用い18ミクロンの薄さを実現したサガミオリジナル史上最薄「ゴムじゃないコンドーム。」として好評を得ている商品で、今回、多くの要望を受け、皮膜の薄さを維持したままサイズアップした「L サイズ」を発売したもの。

 コンドームは、薬機法上で管理医療機器に分類される医療機器で、非常に厳しい検査が各工程で行われている。その中のひとつ、「破裂圧力検査」では、コンドームが破裂するまで空気を注入し、破裂時の空気量と、どの程度までの圧力に耐えたかを検査し、合格したロットのみが消費者に届けられる。

 この破裂圧力の維持がLサイズの開発における「肝」になった。直径を2ミリ、長さを2センチ大きくしたことで、レギュラーサイズと比較すると、空気量はたくさん入るが、より大きく膨らんだ分、皮膜はさらに薄くなり、破裂圧力に影響する。破裂圧力を維持するには皮膜を厚くすればいいが、サガミオリジナルはその「薄さ」が評価されているため、その選択肢は考えられなかった。

 「ゴムじゃないコンドーム。サガミオリジナル」は通常のゴム(天然ゴムラテックス)とは異なり、特殊なポリウレタンを使用している。ポリウレタンはゴム(天然ゴムラテックス)と比較すると破裂圧力で約3倍の素材強度を持っているため、単純に3分の1まで薄くすることが可能だが、0.01ミリの世界では、安全のためにサイズアップをしてもレギュラーサイズと同等の強度を保つ必要がある。

 「薄さ」と「破裂圧力に耐える強度」。この相反する2つの特性を維持するために、同社は素材の供給会社と協議を重ね、ポリウレタン素材の改良に何度もトライし、度重なる生産実験を繰り返し、0.01 のLサイズ発売を実現した。

 サガミオリジナル0.01は日本だけでなく、東南アジアを中心に世界のマーケットで好評を得ている。世界に向けて十分な量を供給するには、新商品発売に際し生産設備の増強が必要だった。だが、コロナ禍の影響により、工場のあるマレーシアに日本の技術者が入国不可能になったり、機械設備の輸出に長い時間が必要になるなど、計画を大幅に遅らせざるを得ない事態となった。今年になりようやく生産設備の増強が完了し、Lサイズの発売に至った。

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