【新年インタビュー】ニチリン前田龍一社長
モノづくりの基盤強化、技術者育成も
工業用品 2017-01-17
「中期経営計画で定めた16年度計画の進捗状況は、売上高は目標に届かないものの、営業利益は達成できる見通しで、当期純利益率も“安定して5%以上を確保”という目標を達成できそうだ」と、前田社長は話す。
■2016年を振り返って
16年12月期第3四半期(1-9月)までの状況をみると、国内は円高の進行で業績は振るわなかったが、15年4月から納入が開始されたVW向け販売が好調に推移したことで、売り上げは若干の微減で済みました。
一方、グループ会社では生産拠点の最適化を進めました。米国テネシー工場で生産している自動車用ホースのうち、採算の悪いパワステの低圧ホースを三重工場(ニチリン白山)に移管しました。三重工場はフューエルホースを増産するために拡張もしていますので、今後仕事量は増えていくとみています。
第3四半期までは、円高で減収となったものの、継続的な生産性改善や原価低減活動により営業・経常増益となりました。
■通期業績予想
16年12月期通期でも減収予想ですが、営業利益では4期続けて過去最高益を見込んでいます。経常利益は減益の見通しですが、第3四半期以降の為替想定レート、1ドル=102円は修正していないので、為替動向次第では上振れして過去最高益になる可能性があるとみています。
■足元の海外拠点の現状
中国は2工場ありますが、全体として内部努力や四輪車向けのブレーキホース、エアコンホースの生産性改善、歩留まり向上、購買の現地化などが進み、現地通貨ベースでは増収増益で推移しています。
北米は15年にあった西海岸港湾ストライキがなくなって物流費削減の効果が出たほか、テネシー工場のリストラによる生産性改善などが寄与し、現地通貨ベースでは増収増益となっています。
欧州は売り上げがほぼ横ばいで推移しています。トピックスとしては、仏ハッチンソン社とブレーキホースで合弁会社「HNBH社」を設立していたが、16年10月、HNBH社の40%持分をハッチンソン社から買取り、出資持分を30%から70%に拡大し、当社の連結子会社化を図りました。これによりグループの子会社(拠点)は、10カ国・14社(拠点)となりました。
アジアは全体に景気が良くない中で、二輪車向けのフューエルホースなど製品群が増えたことで、インドネシアとタイは堅調に伸びています。ベトナムは、15年4月から納入が開始されたGM向けの売り上げが好調に推移しています。
インドは16年からブレーキホース部品のサブアッシーに着手する予定でしたが、計画の遅れで17年から一部開始し、加えて17年下期からエアコンホースのアセンブリーも始める予定です。
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