ニチリン、日本、北米、アジア、欧州は増収増益

　ニチリンの2023年12月期第3四半期（1～9月）業績は、売上高が514億2,400万円で前年同期比9.8％増、営業利益が68億2,500万円で同39.4％増、経常利益が79億7,200万円で同27.4%増、純利益が43億6,000万円で同32.2％増だった。

　セグメント別にみると、日本は256億8,700万円で同10.3％増、営業利益が24億6,000万円で同41.7％増。半導体等部品の供給改善による国内およびアジア向けを中心とした販売回復や円安の影響で増収増益となった。

　北米は売上高が98億6,900万円で同25.0％増、営業利益は8億6,500万円（前年同期は9,400万円の利益）。個人消費の回復や半導体等部品の供給改善により増収。また、人手不足と人件費の上昇への対応として一部生産を日本、アジアへ移管したことや物流費の改善により増益となった。

　中国は売上高が89億7,100万円で同10.1％減、営業利益は10億3,600万円で同9.2％減。EV需要が加速する中、現地ローカルメーカーへの販売が増加したものの、日系自動車メーカーのガソリン車販売が低迷した影響を受け、減収減益となった。

　アジアは売上高が167億3,200万円で同17.4％増、営業利益が25億6,900万円で同13.5％増。半導体等部品の供給不足の緩和や北米からの生産移管も拡大傾向にあることから増収増益となった。

　欧州は売上高が46億5,500万円で同32.8％増、営業利益が2,600万円（同2億300万円の損失）。ウクライナ情勢や半導体等部品の供給緩和により増収、営業利益は黒字転換となった。

業績予想を上方修正

　同社は2023年12月期通期業績予想を上方修正した。主要取引先の自動車メーカーの生産回復や円安などの外部環境により前回予想を上回る見込み。

　■2023年12月期通期業績
　◇売上高＝700億円（前回予想680億円、増減率2.9％増）◇営業利益＝88億円（同82億円、同7.3％増）◇経常利益＝100億円（同84億円、同19.0％増）◇純利益＝55億円（同46億円、同19.5％増）