ブリヂストンは、独自の材料技術とフライトデータを用いたシミュレーション技術を組み合わせた最適設計により摩耗性能を大幅に向上させたBoeing 737型機用タイヤの供給を開始した。

 同タイヤは、摩耗性能向上による価値創造を協働したパートナー航空会社の機体から装着を開始しており、運航オペレーション改善に貢献している。今後も国内外の航空会社への拡大を進めるとともに、2027年以降は対象機種を拡大し、安定運航・運用を足元から支えていく。

 航空業界では、新型コロナ後の需要回復が急速に進んだことによる人手不足が課題で、運航の効率化が急務となっている。また、持続可能な社会の実現に向け、ICAO(国際民間航空機関)では「2050年までのCO2排出量実質ゼロ」の目標が採択されるなど、業界全体で取り組みが強化されている。

 同社は、パートナー航空会社から提供された膨大なフライトデータと独自のシミュレーション技術を組み合わせ、さまざまな条件下での評価と検証を重ね、技術を磨いてきた。新商品は、現行技術「RRR」による高い耐久性を維持しつつ、新トレッドゴムと接地状態を最適化した形状により、タイヤの耐摩耗性と耐偏摩耗性を大幅に向上させている。また、タイヤサイドウォール形状の最適化によりケース耐久性も高めている。

 さらに、航空会社と価値を共創する最先端のタイヤ摩耗予測ソリューションやリトレッドを組み合わせることで、安心・安全を大前提に航空機の運航業務の効率化とCO2排出量削減の両立に貢献する。

 ■耐摩耗性の向上により、航空機の効率的かつ経済的な運航を足元から支える
 独自の材料技術として進化し続けてきた「ナノプロ・テック」を活用し、カーボンブラックの補強性と分散性が向上した新たなゴムを採用。これにより、航空機の着陸や地上走行時におけるタイヤの摩耗バランスが総合的に改善され、耐摩耗性能が大幅に向上した。その結果、従来品対比タイヤ1本あたりの着陸可能回数が増加し、ランディング数(着陸回数)は約20%以上向上している。国内線などで頻繁に離着陸を繰り返す運航形態では、タイヤ交換による機体のダウンタイムを低減し、効率的な運航による機体稼働の最大化と経費削減に貢献する。

 ■耐偏摩耗性の向上により、航空機の安定した運用を支える
 フライトデータと独自のシミュレーション技術を組み合わせ、滑走路での離着陸や誘導路での地上走行など、航空機特有の路面との接地状態を最適化する技術により、さまざまな条件下でもより均一な接地を実現。一部の運航路線で発生していたタイヤの偏摩耗を20%以上改善したことで、偏摩耗が原因となる急なタイヤ交換のリスクを抑え、航空機の運航遅延リスクを低減する。航空会社の定時運航率向上に加え、計画外のタイヤ交換作業が減ることで、メンテナンス現場の業務負荷軽減にも貢献する。

 ■リトレッドの活用で、CO2排出量の削減に貢献
 RRR技術をベースにサイドウォール形状を最適化することで、さらなる耐久性の向上を実現。これにより、リトレッドを含めたタイヤのトータルライフを向上し、タイヤを最後まで無駄なく使い切ることで、1本当たりの価値を最大化させる。リトレッドタイヤは、新品タイヤの約80%の材料を継続して使用できるため、製造段階でのCO2排出量削減に繋がる。航空会社は、同タイヤを使用することで、持続可能な社会の実現にも貢献する。