【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、産地主導の急落続く
連載 2019-07-15

マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=170円台後半、TSRが150円台前半まで、それぞれ軟化した。RSSは1月30日以来の安値を更新している。特に目新しいネガティブ材料が浮上している訳ではないが、産地相場が断続的に値位置を切り下げる中、消費地相場に対する値下り圧力も一段と強化されている。5月から6月上旬にかけては供給不安を織り込む形で急伸したが、その後は減産期から生産期への移行が着実に進展していることが確認されており、価格調整圧力が強くなっている。
上海ゴム先物相場は6月12日の1トン=1万2,550元でピークアウトしたが、1万1,000元の節目も割り込み、昨年11月以来の安値を更新している。供給不安の解消に加えて、改めて米中対立激化に伴う需要環境の悪化リスクを織り込む動きもみられ、1万元の節目割れも意識した急落地合になっている。
産地では、引き続きインドネシアのスマトラ島やジャワ島などで高温・乾燥傾向が報告されているが、改めて供給不安を織り込むような必要性は高まっていない。タイ中央ゴム市場の集荷量はUSS、RSSともに高水準を維持しており、現物相場も7月11日時点でUSSが前週比7.6%安の1キロ=48.80バーツ、RSSが同12.3%安の50.00バーツとなっている。明らかに下落ペースが加速しており、消費地相場も連れ安せざるを得ない状況になっている。
また、産地集荷量の増加に加えて、4月1日から開始されたタイ、インドネシア、マレーシア3カ国の輸出規制が7月末で終了することも、新たにネガティブ材料視されている。
まだ産地気象環境には不透明感が残されるが、日本の気象庁は最新のエルニーニョ監視速報において、「エルニーニョ現象が終息したとみられる」として、今後は平常の状態が続くとの見通しを示している。モンスーン・シーズンで降水量は上振れしやすく、安定した供給量が確保された状態が続くと、産地主導の調整圧力が維持される。
一方、東京ゴム市場では期近3限月が安値を拒否した状態が続いており、国際相場に対して割高感が強くなっている。当限は230円水準を維持しており、逆サヤ(期近高・期先安)が50円を超えるなど限月間で価格バランスに大きな歪みが生じている。ただ、期先3限月は素直に下値追いの展開が続いており、特にサヤ修正の形で期先限月が急反発するような動きは確認できない。
産地相場も生産国が危機感を強める価格ゾーンに突入し始めているが、このまま季節要因を反映した増産圧力の上値圧迫が続くか否かが、7月中旬の東京ゴム市場における焦点になる。
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