【特集】手袋
日本グローブ工業会望戸清彦理事長に聞く
工業用品 2016-09-27
日本グローブ工業会は前年度に創立50周年を迎え、今年2月には都内で記念祝賀会を開催した。新たなスタートを切った望戸清彦理事長(三興化学工業社長)に各種手袋の販売状況や見通し、工業会の取り組みについて話を聞いた。
■家庭用手袋
15年の統計をみますと、販売数量は前年比93.8%となり、2年連続で前年割れとなりました。業界ではここ数年で、厚手から中厚手、薄手から極薄へと需要の中心がシフトしており、その流れで一部極薄手袋へと需要が流れていると考えられます。販売減については、今後は下げ止まるとみています。
■極薄手袋(医療用除く)
販売数量は前年比123.4%と好調が続いており、この5年間で約1.9倍、10年間で3.5倍の規模になっています。ユーザーの清潔志向や使い捨て志向の高まりを背景に、今後も増加傾向で推移するとみています。
■作業用手袋
販売量は前年比97.0%と6年ぶりの前年割れとなりましたが、暖冬の影響で大幅な販売減となった防寒タイプの影響が出ているとみています。今後は東京五輪開催に向けて公共事業の増加が見込まれることから、需要は順調に伸びていくとみています。
■医療用手袋
手術用の販売数量は前年比99.3%と僅かに前年割れとなりましたが誤差の範囲内です。当工業会では手術用手袋の二重装着の取り組みを進めており、長期的には需要は伸長していくものと考えています。
■工業会の取り組み
3部会それぞれの活動を通じて安全性を訴求していきます。家庭用手袋部会では安全衛生マークの「SGマーク」を、作業用手袋部会では工業会としての標準規格である「認定マーク」を浸透させ、アウトサイダーの手袋ではなく、安心・安全な手袋として我々の商品を使用するようPR活動を推進します。
医療用手袋部会では、パウダーフリー化の啓発活動を続けます。FDA(米国食品医薬品局)ではパウダー付き医療用手袋を既に禁止しており、今後国内でも同様の動きが出てくると考えています。10月に仙台で開催される日本手術看護学会にブースを出展し、これらの動きもあわせて訴求していきます。
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