工業用ファスナーなど、金属部品を開発・販売する池田金属工業は7月6日、化学物質などタンク内容物の漏出を防ぐ蓋固定システム「DTIスイングボルトセット」を開発、7月15日から東京ビッグサイトで開催される「プラントメンテナンスショー」で公開すると発表した。

DTIスイングボルトセット


 新システムは、化学・薬品プラントの攪拌(かくはん)タンクなど、内容物の漏出が環境汚染や火災、巨額損失につながりかねない事故のリスクと、漏出の原因として散見される労働力不足にともなう人為的ミスの解消をねらい開発された。

 漏出事故は、タンクの蓋を固定するボルトの「締め忘れ」「締付け不足による緩み」「斜め締め(不均等な締付け)」といった、ヒューマンエラーに起因するものが相当数みられる。ねじ締付け力の目視が難しく、確実な締結を確認できないという構造的な問題も抱えている。

 締め付けを確実にこなせる熟練作業者の技能伝承や保安要員の確保も大きな課題となっており、作業の「省力化・省人化」と「属人化の解消」を図りながら、厳格な安全管理を実現する手法が求められている。

 こうしたなか、同社は、誰にでも確実な締結を実現でき、現場の安全性向上と省力化に貢献することを念頭に、新システムの開発に取り組んだ。

 新システムでは、まずボルト頭部の色が緩んだ状態では赤色、締め付け力が適正値になると黒色に変化するようにして、熟練者以外でも締め付け状態を簡単に確認できるようにした。締め付け後も、緩んだボルトが一目で判別できるため、メンテナンスの効率化にもつながる。

黒色で適正な締め付けを伝達


 その上で、特殊なスペーサーを利用してボルトがネジ穴に垂直に挿入するように補正。これにより複数ボルトで蓋全体を均一に、確実に締め付けできるようにして、締め付け力の偏りにともなう漏れを防ぐようにした。

特殊スペーサーでボルトの垂直保ち締め付け力を均一化


 さらにスペーサーを蓋に固定し、ボルトに脱落防止機構を備えるなど、固定部の分解なしでボルトを緩めるだけで蓋を取り外せるよう工夫して、部品の紛失防止を図った。

 導入コストを抑えるため、既存設備に最小限の加工・部品交換で取り付け可能にしたことも特徴とする。同社は、特別な技術や経験がなくても「誰でも」「目で見て」「確実に」タンクの蓋を締付けできる機構として新システムを提案し、新規受注の開拓を目指す。