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連載コラム「ゴム業界の常識・非常識」(53)

欧米のゴム技術会議参加料は高額?~2025年米国世界ポリマーサミットに参加して~

連載 2025-09-16

加藤事務所代表取締役社長 加藤進一
 9月は、各国でゴム関係の展示会、技術講演会が開催されています。8月下旬のマレーシアクアラルンプール市での国際ゴム産業展示会IRICE、9月9日からの米国クリーブランド市での世界ポリマーサミットGLOBAL POLYMER SUMMIT(旧名:RUBBER EXPO)、17日からの中国上海市でのゴム技術展示会RUBBER TECH CHINAです。また3月にはドイツのタイヤ技術会議&EXPO、TIRE TECHNOLOGY CONFERENCEが開かれます。これらの展示会ではゴム産業会議、技術会議、技術講演会が同時に開かれます。

 今回米国の2025年世界ポリマーサミットに参加してきました。昔の名前ではACS RUBBER EXPOです。ゴム材料、ゴム機械の展示会で約250社が出展しています。技術講演会も同時に開催です。日本からも日本ゼオン、三井化学、デンカ、レゾナック、東ソー、AGC、日本曹達、日本スピンドル、神戸製鋼所、三友工業、信越化学工業、クラレ、ユニマテック、島津製作所、東海カーボンが出展していました。また日本ゴム協会を代表して、来年の国際ゴム会議、展示会2025愛知(International Rubber Conference&EXPO 2025 Aichi)の広報宣伝も行ってきました。

 今年の米国での世界ポリマーサミットは例年に比べて出展社数、参加者数が少ないようです。米国ゴム産業の景気が悪い。従来10月開催を9月に変更したため、9月は10-12月納入の販売契約交渉で忙しいので営業部署の人が参加しにくいのと、翌週に中国最大のゴム展示会があるので、両方は出展できず、中国の展示会だけに参加する企業が多い、出展費用が高すぎるとか、その参加が少ない原因がいろいろと噂されています。私は、米国のゴム展示会の世界的な地位がどんどん下がってきているような気がしています。ゴム製品の製造がどんどんアジアやメキシコに移転されてきているので、米国のゴム産業が空洞化してきているのです。

 この展示会には参加するだけ、来場するだけでも入場料が有料になっています。当日券はUS$125(約1.8万円)します。事前購入でもUS$75(約1.1万円)します。もちろん出展社からのご招待券もあるでしょうが、一般の入場料が高い。通常この種の展示会は出展する企業が費用を負担しますので、入場料は無料でしょう。また技術講演会は、1日参加でUS$500(約7.4万円),3日間参加でUS$1175(約17万円)もします。最近思いますが、ゴム、タイヤ関係の技術講演会の参加料が、欧米ではかなり高額になっています。ドイツでのタイヤ技術会議講演会は中身が濃い講演が多いのですが、1日参加料が96ユーロ+税で約18万円、3日間参加で1845ユーロ+税で約35万円になります。会社が負担するにしても、ここ数年、大変高額になりました。米国の物価の高さが目につきます。昼のマクドナルドのセットが1700円ぐらいしますから。

 日本ゴム協会が主催する日本のゴム技術講演会は1日間で2~4万円程度で、展示会にあたる総合紹介講演会や、2026年開催の国際ゴム技術展示会は入場無料です。円安も影響していますが、日本のゴム技術講演会は国際的には参加料が安すぎると思います。

 世界のゴム技術講演会や展示会に行くたびに、最近は日本の国力の低さが気になります。もっと元気になってほしいものです。

 今回参加した、米国クリーブランド市での世界ポリマーサミット展示会の写真を以下の通り紹介します。





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