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連載コラム「ゴム業界の常識・非常識」(54)

ゴムの大国になりつつあるインド

連載 2025-11-19

加藤事務所代表取締役社長 加藤進一
 現在、ゴム消費の大国は中国であり、世界の約1/3のゴム材料は中国で消費されています。

 合成ゴムSBR、BRの生産量No1の国も中国です。自動車の生産台数も中国がトップです。中国国内にはゴム関係の会社(タイヤ、ゴム製品製造、ゴム原料製造会社、天然ゴム生産会社、ゴム材料取扱商社)が約9,000社あります。

 しかしながら、中国では人口減少が始まっております。今後、どの国がゴム消費世界一になるでしょうか? これは人口とその国の人口一人当たりのゴム消費量によります。現在は米国、インド、日本が中国に続いていますが、将来はインドが世界のゴム消費No1の国になるとの予想されております。インドには、ゴム関係の会社がすでに6,000社あります。すでに人口はインドが中国を抜いて世界一になりました。

 自動車生産台数(乗用車、商用車)においても、インドはすでに韓国を抜き世界第4位に浮上しました。JETROの資料によると2024年の自動車生産台数はインドが601万台、さらに2輪車(オートバイ、スクーター)の生産台数2,388万台でした。中国が3128万台、米国が1,058万台、日本が823万台、メキシコが420万台、韓国が412万台、ドイツが407万台ですから、インドはすでに韓国、ドイツを抜いて、世界4位です。世界3位の日本に迫ってきています。最もインドでは小型車が多いので、ゴム消費量から言うと6位程度と見られます。

 インドには合成ゴム会社(SBR,BR,NBR,ブチルゴム,フッ素ゴム)、巨大なカーボンブラック会社5社、ゴム加硫剤、老化防止剤、酸化亜鉛、加硫剤硫黄、ステアリン酸、プロセスオイル、シリカ、スチールコード、ポリエステルコード、フェノール樹脂、接着剤、なんでもあります。これらのゴム、タイヤ材料を日本、海外日系ゴム工場に紹介するために、加藤産商株式会社は2025年にインド、アーメダバード市に拠点を設立しました。

 インドの国の位置は、結構「南の方」だと思っている人が多いと思います。緯度で言うとタイぐらいか?フィリピンぐらい?インドは広大な国です。首都ニューデリー(インドではみんなデリー(DELHI)と呼ばれることが一般的、ニューデリーと言う人はいません)の位置は結構北部にあります。では首都ニューデリーの位置(緯度)は日本に比べてどのあたりでしょうか?

 バンコックぐらい?マニラ?香港ぐらいか?いや結構ニューデリーは北の方だから台北ぐらいか?まさか沖縄ぐらい?

 答えはなんと、沖縄より北にあります。奄美大島ぐらいです!そんなに緯度が高いのか。ニューデリーでは2月にはセーター、コートが要ります。気温が0℃近くなることもあります。もちろん5月は気温が40℃を超えます。

 広大な国土を持つインドですから、ゴム工業会も4地域に分かれてあり、内陸部デリー近郊に進出している日系ゴム工場では、港から工場まで材料を運ぶのに数日間かかります。

 加藤事務所は2010年ごろからインドのゴム材料を日本のタイヤ、ゴム会社に紹介してきました。インドのゴム材料工場の工場見学、工場監査を15社以上してきました。どの会社が信頼できるかは、まさに経験とノウハウに基づきます。

 そんなインドですが、間違いなく世界一のゴム産業大国になるでしょう。10年ぐらい先か?今から注目しましょう。

インドの交通ルールは?車とオートバイが混在、混沌している。



インドでリキシャ(オートバイタクシー)に乗るとなかなかスリルがある。


まずは行先と料金を交渉します。


街中をビュンビュン走ります。結構速いので結構怖い。

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