【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、9月入り後も横ばい基調
連載 2025-09-08
マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
OSE天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=320円水準で売買が交錯する展開になった。8月に続いて9月入り後も積極的な売買は見送られ、持高調整が中心に留まっている。明確な売買テーマを設定できない状況が1カ月以上にわたって続いており、ほぼ横ばいのまま推移している。

上海ゴム先物相場は、1トン=1万5,000元台でほぼ横ばいの展開が続いた。1万6,000元台乗せには抵抗をみせる一方、大きな売り圧力もなく、方向性を欠いた。8月下旬の取引レンジを踏襲している。
8月31日に発表された中国の8月PMIは、製造業が前月の49.3から49.4、サービス業が同50.1から50.3まで、それぞれ小幅上昇した。ただし、中国経済に対する信頼感を高めるような数値とは評価されていない。製造業は5カ月連続で活動の縮小を意味する50ポイント割れになっている。トランプ関税のショックは徐々に消化されているが、経済活動の停滞が続いていることが確認されている。中国政府が企業の過剰競争抑制の取り組みを強化していることも、製造業の活動を抑制している。ただし、同統計を受けてゴム相場を大きく動かすような動きはみられなかった。
米連邦控訴裁判所は8月29日、トランプ米大統領が各国・地域からの輸入品に課した「相互関税」などについて、違法とした一審の決定を支持する判断を示した。国際緊急経済権限法(IEEPA)について、関税を課す権限は米連邦議会が持つとの原則を重視し、大統領の権限を逸脱したとしている。トランプ大統領は最高裁に上訴する方針を示しているが、関税を巡る不透明感が増している。
先行き不透明感から経済活動が抑制されやすくなっていることはネガティブ。世界の株式市場では、投資家のリスク選好性が後退している。一方、関税が解消されると世界経済に対してはポジティブ。しかし、ゴム相場はほとんど反応を示さなかった。
原油相場の乱高下も、ゴム相場に対する影響は限定された。米財務省がイラン産原油に対する追加制裁に踏み切るなど、供給不安の高まりが原油相場を押し上げた。一方、その後は石油輸出国機構(OPEC)プラスが9月7日の会合で追加増産を決定するとの見方が原油相場を押し下げた。荒れた展開になっているが、ゴム相場は膠着状態を維持した。
産地では引き続き豪雨が観測されており、タイなどでは鉄砲水や洪水発生のリスクに警報も出ている。しかし、ゴム供給に大きな混乱が生じているわけではなく、供給サイドの要因でもゴム相場を大きく動かすことはなかった。台風・ハリケーンが発生には注意が必要。
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